2011年ADCC日本予選 関根選手・平尾選手・五味選手 | 柔術新聞

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柔術の事について書いていきますね。

ADCC日本予選に行ってきました!
行って良かったです・・・。
発見だらけでした。

まず-66キロで衝撃が走りました
その震源地はX-TREME柔術アカデミー所属の平尾悠人選手です!!

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平尾選手はこれまで色々な大会で実績を残していますが、今日もインパクト大きかったです!!!
マジはんぱないです・・・。
今日の平尾選手の対戦相手はこれまた期待のホープ佐々木憂流迦選手でした。
今日の大会、佐々木選手は八隅選手に今度こそ勝てるのか、という所が見所の一つだったと思います。

しかしそれどころではありませんでした・・・・。


まず佐々木選手はいつものように物凄いプレッシャーを掛けて、上から相手を潰しにかかります。
そのあまりの勢いに、会場は佐々木選手が一体どれくらいのスピードで相手を倒すかに期待を寄せていた感じでした。

しかし最初はやや動きが固いように見えた平尾選手ですが、徐々に佐々木選手の動きに付いて行くと、だんだん佐々木選手との間にスペースを作り始めます。
佐々木選手はとにかく上に被さって、圧力でクロスニー&かみつき系のパスを強行しますが、平尾選手が負けずに足をスペースに入れてくるようになると、状況が一変してきます。

50/50で佐々木選手を捉えたあたりから、佐々木選手の顔色が変わってきました。
だんだん佐々木選手が平尾選手に動かされる場面が増えてきました。

徐々に空間を上手く使って回転を始める平尾選手、佐々木選手が前に出ると内回り&後転でパスを受け流し、そしてハファエルのようなベリンボロ系の外回りを仕掛けて反撃に転じます。

佐々木選手はおそらく知らないこれらの技を正面から受け続けたため、ベースを取るのが困難になってしまい、終盤は完全に平尾選手が支配権を握って、佐々木選手はパスを仕掛ける事が出来なくなってしまいました。


平尾選手はスイープ、そしてそこからバックを狙い続け、見事ポイントで佐々木選手に勝利しました。

現在の柔術は、特に軽量級においては、下からの技術が非常に発達したため、ガードの方が優勢です。特にトップ所は完全に下からの仕掛けの方が優位で、下ポジションの取り合いになる程です。


ハファエルやコブリンヤ、サミュエル・ブラガやライアン・ホール、そして以前紹介したボンサイ柔術の鈴木選手や、今日の平尾選手のような新しいガード技術の前には、特にクロスニー・パス等は成功率が著しく低くなります。
海外のトップ試合ですと、ほぼ間違いなく回転&後転の餌食です。
パスを出来なくするガード、パスが出来ないゲームが、現代柔術の特徴だと思います。

今日の平尾選手vs佐々木選手の試合は、まさにそういった最新柔術の潮流を見事に具現化していたように思えます。

非常に興味深かったです。
見れて良かった・・・。
まさに見たい試合でした。こういう試合があるから柔術って最高ですよ。

そして佐々木選手の強力な圧力にひるむ事なく、最後まで落ち着いてキレのあるガードを取っていた平尾選手の精神力が凄いですね。
もし僕にああいう技術があったとしても、多分開始1分でビビってパスされてます・・・。
それくらい佐々木選手の勢いは凄かったです。

しかしその猛攻をまさに跳ね返した勝利でした。
物凄くテクニカルでした。
まさに柔良く剛を制す、ですね。
分かっちゃ居るけどなかなかそんな事は普通できないですよね・・・。
けど平尾選手は、その非常に高い技術と精神力で、まさにこれぞ柔術という試合を見せてくれました。
個人的に今大会中、一番の衝撃試合です。

試合後早速突撃して、少しだけ平尾選手にお話を伺う事ができましたが、X-TREME柔術で竹内先生のもと、ハファエル・メンデスのスタイルを参考にしたりしながら練習していらっしゃるとの事でした。
もっとちゃんと聞きたかったんですけど録音ツールを持って来てなくて・・・。
しまったなあって感じです・・・。
今度改めて是非お話聞かせて下さい!!!!


して99キロ超級で優勝したシュレック関根選手です。
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ADCC予選の決勝は、試合開始当初からマイナスポイントが加算されてしまいます。
つまり普通引き込まない訳です。
引き込むとマイナス・ポイントを取られてしまいますからね。
しかし関根選手はその決勝で、引き込み気味に自らハーフ下のポジションを選択すると、そこから物凄い流麗な手順で淀みなく膝十字25秒勝利です!!!

形は確かこういうヤツだったと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=swIjfKoKuOg

僕は関根選手が異常にテクニカルで、下から複雑な仕掛けを好む事は知っていたはずなのですが、それでもやはり驚かされました・・・。
パワー場面ゼロの、流体ムーブ秒殺勝利・・・。
非常に正確な技術、柔らかいムーブ、極めの速さ・・・。


まあ良く考えてみれば関根選手には驚かされてばかりですよね。

スパーさせて貰っても、軽量級の僕が技術面で遠く及びませんし・・・。
パワーや体重で適わないとかなら言い訳になるんですが。

今日の試合も、大会中のベスト・テクニカル賞だと思います。
お話を伺っても、技の細部にまでとてもこだわって練習している事が分かります。
そういう精密さを一つ一つ積み上げた結果が、あの極めの速さになるのではないでしょうか。

関根選手の視界にホベルト・サイボーグが入ってきたのではないでしょうか。
もうそういうレベルだと思います。
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関根選手に潜られて、なおかつあんなにスピーディに膝十字までセットアップされたら、もう誰も逃げられないんじゃないですかね。
期待せずにはいられません。
本戦が待ち遠しいです。

そして五味隆典選手です。
とにかく振る舞いが格好良かったですねー。
かっちょいいの一言ですね。

幻の戦極ライト級対決となったvs山田選手も熱い試合でしたが、とにかく相手が何を仕掛けてこようと、物凄い圧力で上半身を制し、これまた物凄いキレで足を抜く、ポイント時間帯になったら爆弾TDでポイントをゲットする、これを徹底して見事優勝しました。
試合もそうですが、その一挙手一投足に目が釘付けになってしまった五味選手、見れて良かったです!!