<万里の長城遭難>海外旅行も国内用の指針を準用
毎日新聞 11月9日(金)11時49分配信
海外ツアーの事故を防ぐため、旧運輸省の国際運輸?観光局は89年4月、業界団体「日本旅行業協会」に対し、旅行者が各旅行地の交通事情や犯罪状況など安全情報を十分に把握できるよう、リーフレットを作成し配布するよう通達を出した。
当時、円高の影響もあり海外旅行者が急増し、高校の修学旅行でも海外に行くケースが増えた。その一方で海外旅行者が事故やひったくりなど犯罪被害に遭うケースも急増し、88年には中国?上海で修学旅行中の高知市の高校が列車事故に遭い生徒ら28人が死亡。事故後の補償交渉も難航し、旧運輸省は89年の通達で、海外旅行傷害保険の加入促進を図るよう指導した。
ツアー登山を巡っては、日本旅行業協会など業界団体が05年、初めて企画するツアーでは企画段階から十分な下見と情報収集を行い、引率者が救急救命の技術を持つことを求めるなどのガイドラインを作成。国内ツアーだけでなく、海外のツアーでもガイドラインを参考とするよう明記した。
09年7月の北海道?トムラウシ山遭難事故を受け、観光庁は有識者や業界団体が参加する連絡会議を設置し、再発防止策を策定。その中で、各旅行業者にガイドラインの徹底と、ガイドラインに沿ったマニュアルを作成するよう指示した。観光庁の担当者は「海外であろうと、ツアーの安全確保の対策は国内と重複する部分が多く、業界団体のガイドラインは海外でも準用されると認識している」と話す。
羽田国交相は9日「今回の遭難事故を業界団体も重く受け止め、ツアー登山や海外のツアーについてガイドラインなどを作ることを検討していると聞いている」と述べた。【桐野耕一】
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