最後の朝陽を見てこの地を後にします。

長いようで短い旅でした。

過去何度も来ているセブ島ですが子供ができてからは初めてです。


1人で来ている時と、親として子供達と来ている時との感覚の違いがありました。

今回子供達の目ににはまだまだ発展途上の国がどの様に映ったのでしょうか?


交通規制もほとんど無く、一部の子供達は裸足で外を遊び回り、またホテルを出ると一部の人達がしつこく観光客に付き纏いチップをねだる。

昔、1人で来ていた時にはさほど感じていなかった事ですが、子供達と来ると色々考えてしまいます。

きっと今、日本で置かれている自分の生活と比べてショックを受けた事だと思います。

特に桃子は外出を嫌いました。

しかし、どんな環境でも陽が登り陽が沈む迄、毎日、毎日を一生懸命生きている事には何の変わりもなく楽しいと思う事や悲しいと思う事、疲れたと感じる事も皆一緒です。

裕福と幸福は全く違うと言う事をわかってもらうにはまだ少々時間と経験が必要かも知れません。

旅の中盤では本物の銃を撃つ事を経験させました。

「子供に銃なんか撃たせて何考えているんだ!」
と言う方もいると思います。

プレイ射撃で片付けてしまえばそれまでですが、こんな小さな玉でも撃たれれば人は死んでしまう事。

人は武器を持ってはいけない事を知って欲しかったからです。


子供達には戦争中はこのジャングルの中でもっと恐ろしい兵器を持って無駄に命のやり取りをしていた事を話しました。

ちなみに私の父(もう他界しています)は戦争でこの地に来ていたそうで戦争中の体験を子供の頃よく聞かされました。

そして自然の素晴らしさ。

毎日何の抵抗も無く朝稽古をしたのは◎です。

人の暖かさ。


言葉は通じなくても空手を通して会話ができた事。





道着を着ている者同士の特別な意思の疎通。

桃子は何人かの生徒とアドレス交換をしていました。

流派や競技の違いはあれど何のしがらみも無く一緒に稽古をして良いところを学び合う。

治安上女子のティーンエイジャーの生徒さんが多いそうです。

皆ものすごく大きな声で気合いを入れていました。
自分の置かれた環境下で必要な事を学ぶ。
まさに護身の為とはこの事だと思います。

空手を通じてカナダに続きフィリピンに来て私が一番感じ、考えを改めなければならない点にも気づきました。

日本の中では型や組手の大会優勝を目指して親子一丸になって頑張っている方が多いと思います。
(まさに我が家がそうです)が、空手を通しての人との交流の素晴らしさを痛感しました。

全てフランクで友好的な人達と接していると、日本の一部に於いて生徒無視の鎖国的、敵対的な方針、腹の小ささにうんざりしました。

今年は

       [努力と和]

を指針に頑張って行こうと決めました。

子供達は言葉の違い、文化の違い、環境の違い。
前回カナダに行っているだけにまた違うカルチャーショックがあったと思います。

親としてまだまだ違う体験をさせてあげたいと思います。

子供を煽りながら子供に煽られ仕事に精出して生きている間、子供達と貴重な思い出を作っていきたい。

今回は桃子のご褒美とささやかながらの空手外交を兼ねての旅でした。

ほぼプランはクリア出来たと思います。

桃子もあと3ヵ月で中学生になります。

来年は大将が同じ状況になります。

今年も親子一丸で邁進してこの地に戻ってきたいです。

全て空手との出会い。
空手を通して知り合った方々に感謝です。


約一週間にわたり旅日記を書いてきました。


次回は番外編。写真集を掲載します。