ある選抜大会の当日、桃子が大将を連れて半べそ状態になっていました。

また一年前と同じで試合前に怖くなってしまったのでは?と心配になりました。

私「どうした?」

桃子「先生に叱られた。」

私「?????」
     
桃子「お前達なにしてるんだ!って言われた。」

話をよく聞いてみたらこう言う事でした。

たまたまこの会場に居合わせた先生は桃子、大将の出場する事をすっかり忘れていたようで無断で出場したものと思い込んでいたようでした。

この大会に応援に来てくれた仲間達も何故二人がここに居るのか聞かれたそうです。

更には二人のかつての師匠にも
「無断で大会に参加している生徒がいる。」と報告したそうです。

大会自体、責任者のサインが無ければ出場する事は出来ません。
きっと忙しくて忘れてしまったのでしょうが、二人にも私にもかなりショックな出来事でしたが何故、最初私に言って来なかったのでしょうか?

数時間後に先生と顔を合わせましたが、その時には全てを思い出していました。

この件でこの道場を去る決断が出来ました。

後日、退会届けを提出しました。

全くのノープランで感情任せで辞めてしまい行く場を失ってしまいましたが、桃子、大将の以前在籍していた道場の師範が復会させてくれました。

移籍後も連絡はたまに近況報告などをしてはいましたが、師匠に砂をかけるように移籍してしまった私と二人を引き取ってくれたのです。

「恥ずかしながら帰って来ました。」
  の心境でした。

師範の器の大きさを感じた時でした。

ちょうどその頃、埼玉で開催された大会に参加した時の事です。

大会が始まる前に私の妻にあるメールが来ました。

その内容は

「一切うちの生徒に激励、指導をしないように。」

と言うような内容でした。

退会の時に一切父兄とは付き合わないように。
と言うような事は言われていましたが内政干渉も甚だしい。とは思っていましたが、びっくりしました。この時も何故直接私に言って来なかったのでしょうか?

この件では仲の良い父兄の方々も首を傾げていました。

その頃も今も、昔の知り合いの父兄の方とは街中で会う事があり近況などをお話しさせて頂いています。


出戻りとなった私達ですがまだこの先色々な経験をして現在に至ります。

当時の関係者の方々のほとんどは懐かしく笑えるエピソードだと思います。

この無断出場問題?で空手を辞めようかとも思いました。この件で行き場を失いかけた時から道場立ち上げ(正確には家族だけの稽古場)を考えるようになったのかもしれません。

始めた以上、決めた目標を達成する迄は辞めるわけにはいきませんでした。

この後も信じられない事が次々に起こりました。次回に書きますがそんな事が起こるたびに道場立ち上げの気持ちが強くなってきました。