今野敏著「果断 (隠蔽捜査2)」を読み終えました。 山本周五郎賞・日本推理作家協会賞受賞となっています。 

 

わたしの場合、山本周五郎賞と言うものに対しては、なかなかに多面的な色合いが含まれているような、言い換えれば、しかとした掴み所感、が無いような、そんな受け取り方が出来上がってしまいます。

 

山本周五郎さんの作品は好きな方で良く読みました。 「青べか物語」が最も強く印象に残っているものの、他の作品も自分にも合うものが多く有りました。

 

しかし、藤沢周平さんや池波正太郎さんと違いまして、全然自分に合わない作品が三作ほど有りましたのが意外でした。

 

以前も書きましたが、わたしが宝の山と称する作家さんの場合、合わない作品というものはゼロに等しいのですが、山本周五郎さんの場合は、そんな面でも、しかとした掴み所感が無い、ことの要因に成っているようにも思えるのです。

 

さて「果断 (隠蔽捜査2)」に付いてですが、これは警視庁大森警察署の署長に赴任した主人公の物語です。

 

警察庁の或る課長の地位に居たキャリア警官が、家庭内の不祥事で所轄の署長へと左遷されるのですが、左遷先の署管内で、立て籠り事件が発生し、それらに果敢に対処していく姿が語られています。

 

事前の予備知識はゼロに近いわたしが、とても面白く読むことができました。

 

だいたいわたしは警察物の小説は余り読まない方なのです。 過去におもしろいなと思われた作品は、大沢在昌著の「新宿鮫、無間人形」など数点だけなのです。

 

ただドキュメンタリー作品は数作品興味深く読んで来ました。 ドキュメンタリーの場合は、精査な調査が伺えるもののみが世に評価されている場合が多く、特に刑事としての経験に基づいたものには強い真迫感が感じられるからでした。

 

今度の「果断・・・」に惹かれた要因は、主人公の性格作りにあるようです。 常に本音で語り、正論を曲げずに事に当ろうとする姿は、保身に走り、上に弱く下に強い現場警官に対しての姿勢に現れています。

 

このようなセリフもあります。「本音とたてまえを使い分ける人がまともで、本気で原理原則を大切だと考えている者が変人だというのは納得できない」

 

宮仕えの者としては、一度はスカッと言ってみたい言葉では・・・とも思われます。

 

あるいわ言え無いが故、このような主人公に惹かれていくのかも知れません。

 

この小説の前段的作品に「隠蔽捜査」吉川英治文学新人賞受賞というものがあるそうなのですね。

 

またまた今度は藤沢周平さんの本を読み始めましたから、その次には読んでみようと思っているのです。

 

 

半月ほど前に切り込んでいたブーゲンビリアに花が付き始めました。

 

まだまだ今から奇麗になりそうです。 適当に切ったのですが、正解だったようです^^