先日は映画「エルビス」を見終えました。

 

音楽映画は良い物が多く、わたしの好きな映画のジャンルの一つなのですが、この映画は余り面白くありませんでした。

 

わたしのランク付けではA-でしょうか。

 

何故面白く無いのか・・・。 それはエルビス・プレスリーの負の部分だけが強調されて描かれている、そんな気がするからなのです。

 

気がする、と言いますのは、本当に強調されているのか、別に協調はされていなくて、事実を在りのままに描いているのか、そこのところはわたしには分からない、ということです。

 

そしてまた面白く無いということのとても大きな原因には、わたしの知るエルビスではないから、という事も挙げられます。

 

まず一番に言えることは、当たり前のことながら、歌う声がエルビスのそれでは無いからなのですね。

 

エルビスが亡くなってもう40年以上経ちますから、今更映画の中の歌声を全てエルビスの本当の声に吹き替えする何てことは出来ないでしょうが、エルビス・プレスリーの歌声は、エルビス・プレスリーのあの声でなくては、全く何にも意味がないのですね。

 

エルビスと言えば、エコーの効いたあの明るさを帯びた伸びの有る声しか、わたしの頭には無いのですから。

 

幾らエネルギッシュに歌おうが、派手な動きをしょうが、声がエルビスで無ければ、それは所詮真似ごとでさえ無い他人の歌なのです。

 

エルビス・プレスリーの映画、の存在を知ったのは何ヶ月か前でした。

 

まだDVDの準新作に成っていましたので、暫く待つことにしましたが、いつの間にか忘れてしまっていました。

 

それで旧作に成っているのを棚で見つけた時は嬉しかったですね。

 

トムハンクスが共演と成っていました。 DVDを見る前から内容の想像をしていました。

 

まず若い日のトラック運転手のエルビスが、忙しそうに働いている姿が有り、或る日母の誕生祝にレコード製造店で、プレゼントの歌を録音する。

 

その時彼の歌を聞いた店主が「おい君は歌が上手いなー」などと言って話しかける・・・。

 

見ているほうもドキドキするような出だしです。 それから地方のバーなどで売れない時代が続き、遂に或る日チャンスが訪れる・・・。

 

レコード店が無ければ、まるでレディー・ガガの映画と同じような成り行きですが、そんな風な成り行きを期待していたのに、少々違いました。 しかしそれはそれで良いのです。 

 

「エルビス」では、子供の頃の住宅環境が貧困な黒人の家に囲まれた生活で、好きな音楽でも黒人霊歌や黒人のロックに囲まれていました。

 

バーなどで自己流に歌う彼が少し大きな舞台で歌うように成ってから、そこでもう直ぐに彼の歌のスタイルが批判の的になります。

 

黒人的で白人の歌ではない、腰の動きが卑猥だ、全てが退廃的だ・・・。

 

そこでもうわたしの感覚とはズレが生まれて、~ どうしてその方向からしか責めないのか ~ と成ります。

 

じゃあそのことと、熱狂的な若者の間の人気のことはどうなるのか・・・?

 

あの特徴ある声の魅力は(映画では有りませんが)どう評価するのか・・・?

 

結局後年の薬漬けの生活へ持って行くように、爆発的人気は誘導されて行くのがこの映画の主題のようでした。

 

エルビスの魅力は、相棒の大佐との確執やお金の問題に多くが置き換えられ、生き方のスタイルが軌道を逸したものだったとのテーマに埋もれてしまい、多くのファンが聴いたあの歌やあの声の魅力はどこにも描かれてはいなかったのです。

 

高校生の頃、ギターを弾きながら歌った、♪ラブミーテンダ、ラブミーツー♪や、役者として良かった主演映画・・、エルビスの魅力を蔑ろにしたこの映画は、その狙いさえ判らないものでした。