最近は連続してちょいと良い映画に恵まれました。
「聯合艦隊司令長官 山本五十六」と「アデライン100年目の恋」「スパイ・ゾルゲ」の三作です。
「・・・山本五十六」は、役所広司が主人公役の映画です。
これは主人公山本五十六の描き方が良くて、作品全体が引き締まって見えました。
開戦前から、日本軍の劣勢を自覚していながら、軍の最上層部の方針に逆らえず、それならばと講和の時期を探りながら開戦へと突き進んでいきます。
元日本兵の元沖縄知事太田昌秀さんの言う、試験管の中で純粋培養された国民の中に在って、軍人として対外的平衡感覚を失うことの無かった山本五十六の行動が、冷静に語られていました。
またしても阿川弘之氏の「山本五十六」や「米内光政」を読みたくなりました。
「アデライン、100年目の恋」は、交通事故で水没した車に乗っている女性が、水没したまま車ごと落雷に会い、それ以後老化しなくなったという、荒唐無稽系の映画でしたが、上手く最後までまとめていました。
わたしは「ポストマン」などなど、荒唐無稽な筋の映画でも、何となくリアル感が感じられれば好きなのです。
ストーリーの始まりが意外な展開程、締めくくりは難しいのですが、無理なくうまくまとめていれば「うん、なるほど」となるのですが、これが案外少ないのですね。
しかしこの映画は、久しぶりに「うん、なるほど」のほうでした。
三作目は「スパイ・ゾルゲ」でした。
わたしは小説の中でもスパイ物は好きな方で、レン・デイトンやジョン・ル・カレ、グレアム・グリーンやイャン・フレミングなどの作品も好んで読んで来ましたが、ゾルゲのことは名前くらいしか知らなくて、今回初めて詳しく(と言っても映画ですから限度はありますか)知ることができました。
ゾルゲはソ連のスパイで、ドイツに関する二重スパイ的なこともしていたのですね。
一番の良さは主役の外国人の演技で、淡々としドキュメンタリー風な真柏力がありました。
ゾルゲに絡んだ日本人の尾崎秀実に関しても、名前を聞いていただけで、その行動など今回初めてそれなりに知りました。
しかし尾崎役の俳優さん、本木雅弘さんは適役だったかどうか、少し疑問にも思われました。
自分一人の感覚なのかも知れませんが、人間の顔というものは、それぞれの時代にはそれぞれの顔、というものが有るのではと思うのです。
平和な時代の顔、今まさに世が戦争中の顔、男性にしても女性にしても、やはり内面から出てくるものは、時代から逃れられない何かを現わしているものでは、と思います。
主役の外国の人にはそれが感じられ、日本の俳優には男女ともにそれが希薄だったように思われましたが、元々無理な注文だったのかも知れませんね。
階段に「段菊」を置いて撮りました。
