「三屋清左衛門残日録」というTV時代劇シリーズのドラマを見終えました。
DVDのカバーの字が小さいものですから、つい順番を間違って、一話目を最後に見てしまったりしましたが、どちらにしてもなかなか良い作品でした。
何か進行がのんびりしていて、セリフが不必要に長く無くて、何しろ北大路欽也の表情と、伊東四朗の無表情コンビが良いのですね。
例えば、伊東四朗が庭に立ち、余り上手くない歌を無表情で詠むと、北大路欣也が縁側に座り、ニコッとして、ポンッ、と手を叩いて「上手い!!」
と、それだけなのです。
伊東四朗は「それじゃぁ・・」などと言って去って行きます。
そんな呼吸がとても面白いのです。
とにかく、本は藤沢周平の本から採っていますから、武士社会のお決まりの揉め事が描かれているのですが、以前書きました映画「流れる」のように、二人の佇まいが良いのですね。
と言ってもこれは当然わたしの個人的な感想であって、じつは惹かれる中に別の理由も有るのです。
それは北大路欽也さんの表情の中に、わたしの父親の若い頃の顔がかいま見えるからなのです。
特に目と、口元が良く似ています。
欽也さんも、それなりのトシに成ったからなのでしょうね。
顔の中央の鼻の形や、顎の付近は似ていないのですが、それと父の方がやや顔が小型のようですが、鼻付近の中央の部分を隠して、目と口だけ見えるようにすると似ているのが良く解るのです。
これは物語を見始めて途中から気が付きまして、それが気付いてからは、ついつい表情の中に父を探してしまいます。
そして我ながら面白いのは、欽也さんが怒った顔をすると、なにしろ似ているのは父の若い頃の顔ですから、ちょうどわたしが悪戯をして怒られていた当時の顔に成るのですね。
それでわたしはつい、首をすくめたくなるような気持になるのです。
父からじっと睨まれて ~ あ~こわ!! ~ というような気分が、このトシでも自然に胸に広がって来るのです。
そして欽也さんがニコッとすると、父の機嫌の良い時の顔が浮かんできて、わたしも子供当時の気分で嬉しくなる気がするのです。
あのグリッとした二重の眼の変化と、喋る時の口元の動きがとても懐かしいドラマでした。
TVドラマとしては、昔から外国物の良い作品を長年見て来ましたが、日本の時代劇にもまだまだ良いものがあるのでしょうね。
次は何を見ようか「鬼平犯科帳」でも見始めようかとも思っています。
これは気に入ったら、随分長いシリーズですから当分楽しめそうです。