頭の中がかゆいかも
0 0 1 156 891 事務所 7 2 1045 14.0 Normal 0 false false false EN-US JA X-NONE /* Style Definitions */table.MsoNormalTable {mso-style-name:"Table Normal"; mso-tstyle-rowband-size:0; mso-tstyle-colband-size:0; mso-style-noshow:yes; mso-style-priority:99; mso-style-parent:""; mso-padding-alt:0cm 5.4pt 0cm 5.4pt; mso-para-margin:0cm; mso-para-margin-bottom:.0001pt; mso-pagination:widow-orphan; font-size:12.0pt; font-family:Cambria; mso-ascii-font-family:Cambria; mso-ascii-theme-font:minor-latin; mso-hansi-font-family:Cambria; mso-hansi-theme-font:minor-latin; mso-fareast-language:EN-US;}あいつの症状は一進一退。医師に相談しても「まあ、こんなもんでしょう」と、あまり深刻には受け止めてもらえないらしい。「かなり出血がひどかったので、運動野はちょっと麻痺が残るかもしれませんが、あとは腫れが引いてくるに連れてだんだん治まってくると思われます。ま、もう少し様子をみましょう」「運動野といわれてもねえ」おかんも困惑気味だ。洗濯物の入れ替えや何やかやで毎日様子見に行っている「うちのだんな」がどうも尋常じゃない。「様子を見ようなんて、毎日様子は嫌になるほど見てるわい」歩きはしないし、右手は動かない。言うことはちょっと変。トイレは、小はシビン、ウンチはオマル。いつまでこんな状態が続くのか、それともこれが日常になったのか。おかんがちょっと寡黙になって、少しだけお酒の量が増えた。発症3週間目に入って、治療のプログラムが変わった。リハビリが加わったのである。車椅子で連れられて、専用のリハビリルームまで行って、専任のスタッフに引き渡される。あいつには、理学療法士と作業療法士の二人の担当がついた。理学療法は足回り、作業療法は手のリハビリが中心だ。ただ手足で担当が分かれるわけではなく、理学療法は「機能回復」、作業療法は「日常生活の訓練」が目的でこの時期たまたま足と手をやることになったのだそうな。あいつは、最初このリハビリが疑問だったらしく、どうして自分が、としきりにこぼしていたが、そのうち納得したらしく、「わかった。俺は脳障害ね」とわかったようなことも言うようになった。以前は認めていたのに、改めてわかったのかしら。普段は自分のことを俺なんてめったに言わない人だけど少しずつ前に進んでいるみたいだから、「まっ、いいか」とおかんがまとめる。「おとなしくリハを受けるのはいいんだけど、作業の先生がかわいい娘さんだもんで、あいつったら終わると、『またね〜』なんてうれしそうに言いながら手まで振っているのよ」「もうひとつ、最近やたらと頭を掻くようになった。それも左側だけ。痒いのって聞いたら、微妙に違うんだって」「痒いと痛いの中間ぐらい。これがひどい日は、うまくしゃべれない。難しいもんだね」落ち着いてきたといえば、そうもいえる。変だというなら、ソダネエ、なんだって。とかく人間様は難しい。とかいっているうちに、発症1か月がたった。