派手な開襟シャツの記憶
あの頃やたら派手でエリ広の
開襟の柄シャツなんか着ちゃってさ
この坂を昇るまでにまゆ細の
黒服の兄ちゃんがいっぱいいてさ
ギラギラのスカウトやホストたちが
みんな お疲れ様っすって頭下げてさ。
毎晩朝まで飽きもせず
ちゃらちゃらちゃらちゃら歩き回ってさ
俺はそんなお前が誇らしかった。
俺はそんなお前をスゲーって思ってた。
だからなんでそんなお前がシワだらけで
頭ハゲて死んでるのさ。
前歯もほとんどないじゃんよぅ。
お前もっとかっこよかっただろ?
なんでこの俺がお前が死んだのを
人づてに聞かなきゃなんないのさ
おいでもよ。せめてもだけどさ
この街で死ねてよかったな。
ぶっ倒れたまま死ねてよかったな。
あの時とおんなじなのは
やたら派手でエリが広い開襟の柄シャツだけだけど
せめて仰向けで倒れてよかったな。
ネオンやビルの明かりでしらっちゃけた
狭いこの街の夜空で死ねてよかったな。
俺はそんな自分が好きだった。
俺はたぶんそんな自分をカッケーって思ってた
俺ももうしわくちゃだし、歯もないし、頭の毛だってないけどさ
この街でお前みたいにのたれ死ねたら、
少しはかっこつくかなって

