【出演者紹介】郡山冬果

郡山冬果です。『田園1968』では倉橋綾子の役をつとめます。
早くセリフをちゃんと覚えたいです。
昔は5回も読めば覚えてたのに、年を取ると、なかなかです(笑)

私にとっての『原風景』というと、私が3才か4才ぐらいだったろうか。家族で行った爪木崎の浜である。

広大な砂浜をひたすら歩かされた。海でたっぷり遊んで荷造りし、車の置いてある所までひたすら砂浜を歩く。

手をつないでいる母を見上げると、浮き輪や私たち兄姉の着替えを背負ったり抱えたりで大荷物。

もう片方の手で私をグイグイ引っ張って歩く。手が痛い。優しくない。砂浜の砂に足はめり込み、濡れた指に砂がへばりつき気持ち悪い。ビーチサンダルが脱げそうになる。それでも母は歩くスピードを緩めず、手を強く握ってグイグイ引っ張る。疲れた。もういやだ。足も手も痛い。砂が気持ち悪い。眠い。抱っこして欲しい。「ダッコして」と言っても母は目も合わせず「歩きなさい」と冷たい。私は母の手を振り払いうずくまって大泣きした。これをすれば母は必ずや困って抱っこすると思ったのだ。

しかし、母は父や兄姉と共にどんどん歩いてそしてとうとう姿が見えなくなってしまった。風だけが吹いている。

そこへ誰か大人がやってきて「どうしたの〜？」と声を掛けてきてくれた。

その途端、小高い丘の上から「ほっといてくださーい！」と父が両手をパタパタさせて言っている。よく見ると丘の上には父、母、兄、姉が私を見下ろしてる。おまけに何か笑っているような気もする。

そこから親と私の我慢くらべが始まった。
私はうずくまり、あらん限りの大声で泣きわめく。誰かが声をかけるたび親が「ほっといてくださーい」と丘の上から大声で言う、の繰り返し。絶対泣き止んでやるもんか。
最後は…勝者はやはり母だった。
あの爪木崎の風景を思い出すと、なんともしんどく、最大級に甘えたかった自分の気持ちがよみがえる。
大人になり懐かしの爪木崎に行ってみたが、あの時の広大な砂漠のような砂浜はなんだったのだろうかと思うほど、普通の広さだった。

1968年クーイズ！！
1968年に創刊した漫画雑誌はなんでしょう？
答えは。。。。。。。。

『少年ジャンプ』でしたぁー！

郡山冬果

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文学座公演

『田園1968』

作：東憲司

演出：西川信廣

2022年6月17日(金)〜25日(土)

新宿南口・紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA

5月14日(土)一般前売スタート

10:00〜オンラインチケット先行

11:00〜電話予約