なかなかシリアスな作品で見るのを迷っていましたが、義兄の同級生の兄弟の物語というのを聞いていましたし、いつ映画は封切られるんだろうと気にはなっていたので、昨日監督も舞台あいさつに来られるとのことで見に行ってきました。

 

熱田区の話なんで熱田区の景色がいっぱい!名給のあたりだったりもちろん熱田神宮、神宮前のシャッター商店街^^; 七里の渡しなど。

 

出典元:映画.com

 

主人公の達也(永瀬正敏)がいわば監督なんですけど、カメラマンでアメリカにわたってやりたい放題やっている、そして末の弟・隆史(金子ノブアキ)も自分の夢のために上京し、結局次男の章人(オダギリジョー)が病気の両親の面倒も見て、一気に責任をしょってしまったために心が壊れていった…ということみたいです。

 

章人さんも東大~ハーバードという大変優秀な人材だったはずなのに…というのは気になるんですが、とにかく心優しく兄弟思いで兄弟の夢を本当に応援してたみたいです。

 

達也がまだ写真家として世に出ていない頃から、章人だけは達也の才能を信じて応援していたというのはいい話ですよね…。

こんな優しい役をオダギリさんがやるのを初めて見ましたが、その後心が病んでしまい、達也が古くなったトイレのサンダルやタオルを新品に変えても

「余計なことしんでよ」と言って再び古いものに変えちゃうんです。

これは精神疾患の現象として実際よくあることらしいです。(監督曰く)

 

最愛の弟、離れて暮らしていても兄弟だったわけですから、その弟が孤独死しして、多分亡くなった日付は発見の半年前だろうけど、正確な日付は特定できないから命日も決められないという…

これもなかなかに切ないですね。

 

ロケ地は実際の監督のご実家を使っていたり、章人さんの手紙も実際の物を使用していたり…章人さんの手紙の文言は書かない方がいいのかな。

 

でもその言葉に監督は「救われた」とおっしゃっていたし、見ている側(少なくとも私は)も希望の光が見えたのでいい終わり方だったと思います。

 

この映画が全国的に広がればいいのですが、私ももう二回ぐらいはみんといかんかな。昨日は質問タイムもありましたが、そこで質問なさった方は「あとチケット5枚あります」とおっしゃってました。

 

地元で押し上げて…いい映画だと思うので、大勢の方に見てもらえれば何よりだと思います。

 

エンドロールの「宮中学校同級生一同」とか「白鳥学区」というのに…私自身は関わっていませんが、仲間とのきずなを感じて泣いちゃいました。

 

日本映画にはいろんなネックがあって大変なんです。それは先日「ミッドナイトスワン」トークイベントで森谷さんもおっしゃっていました。

だからこそこうした独立系の映画を私の力が及ぶとは思いませんが、できるかぎり応援したいです。

 

日比遊一監督、ファイティン!