またもや偶然に古い映画を発掘してしまい、amazon primeで見ています。1955年制作「銀座二十四帖」(川島雄三監督)終戦後わずか10年でこもうこんな映画が作られてたんだ!
タイトル通り銀座の風景もふんだんに取り入れられ、たくましく戦後を生き抜く日本人が生き生きと描かれます。「ヒロポン」(ミヤコ蝶々さんも中毒になったという、今でいう覚せい剤ですよね…)のことも深刻な問題になっていたようです。
ちょっと面白いのがオープニングとエンディングソングを森繁久彌さんが歌っていること、そのままナレーションも担当していますが、本作では「ジョッキー」と呼ばれています。冒頭もカエルのシーンから始まるのが斬新。
銀座で花屋を経営するコニー(三橋達也)。戦争孤児に花屋を手伝わせる代わりに学校に行かせるなど、面倒見の良い男です。
びっくりしたのが「ルリちゃん」役で浅丘ルリ子さんが出ていること。最初わかんかなかったですけどね💦やっぱり当時から美少女。まだ10代じゃないですかね。(3人いる少女の真ん中がそうです)
ヒロインは若き人妻・京極和歌子(月丘夢路)、夢路さんというと「一和高麗人参茶」の印象が私には強いです^^;
夫に蒸発され、知り合いの置屋の女将のところに身を寄せています。そこへ大阪からやってくるのが仲町雪乃(北原三枝・裕次郎さんの奥様)二人はいとこらしいのですが、雪乃は和歌子を「おばさま」と呼んでいます。
和歌子は美術品を収集していた父の遺品から自分を描いた肖像画を見て、イニシャルG.Mがだれか探そうと決心します。どうもそれは…コニーの亡き兄らしい?
いっぽう雪乃はファッションモデルとして東京で働きだし、自称画家の男性(大坂志郎)と仲良くなります。
大坂さんの若い頃、はじめて見たかも。和歌子が伝統的な日本美人(しとやか)とすると、雪乃は言いたいことをハッキリ言う現代っ子って感じでしたね。ファッションにもそれは表れてました。
和歌子とコニーはお互いを思いあっているようなのですが、和歌子は夫がいる身であり、今一つ踏み込めないコニー。和歌子は夫は蒸発したのだし…と気持ちを切り替えて銀座のバーで働こうとしますが、コニーが猛反対し、彼の店で働くことになります。
ここまで見てきてラブロマンスだなと思っていましたが、ラスト結構ハードボイルドで!面白かったです。大阪(なんば・梅田)の当時の風景も出てくるので興味深いです。
佐野浅夫さんもコニーの弟分でちらっと登場。あとは芦田伸介・関弘子さんも出ていました。
ラスト間際のカットです。戦争が終わってまだ10年。きっと町では本当にこういった風景が見られたのでしょう…。当時の風俗もうかがい知ることができてよかったです。