近所ではやっていないので、名古屋駅のミッドランドスクエアにて鑑賞です。ミッドランドもサーモグラフィーを導入し、体温の高い観客は入場を断るようにしたとのことです。

 

で、この映画も迷っていましたが、上映回数がいよいよ1回だけになったのでレディースデーに行ってきました。開始してすぐ「あ~これは面白い映画に違いない!」とわかり、たちまち本作の虜に(笑)見せ方がうまいんですよね。インパクト、つかみはオッケーといいますか。「パラサイト」のポン・ジュノ監督もしかりですが、この監督さんも。「サニー 永遠の仲間たち」を作った人でもあるのでナットク。やっぱり韓国映画はすごいな~。

 

朝鮮戦争のさなかの韓国、巨済島捕虜収容所には北朝鮮軍の兵士が多数収容されていました。そこへ新任でやってきた米軍の所長は、自分の評判をあげるため、収容所内でダンスチームを作って話題にしようと画策します。差別され米軍の兵士でも冷遇を受けていたジャクソンが、もとブロードウェイのダンサーだったことに目を付け、彼をそのリーダー役に指名するのです。

 

ダンスオーディションをするも、メンバーは正直最初は「大丈夫かいな?」という顔ぶればかり。太っていて踊りすぎると心臓発作で倒れてしまう中国人、妻を探していたら間違って収容所に収監された気の毒な民間人、パンパン(娼婦)ながら語学が堪能で歌も上手な韓国女性…。( その分後半のダンスシーンが際立って感動するんですけどね)

 

「アメリカのダンスなんて…」と反抗的な若者・ギスは運動神経に優れ、コサックダンスを連続で踊れるつわもの。そこでジャクソンは彼も仲間に引き入れようと思いつきます。ギスも次第にタップダンスをやってみようとその魅力にとりつかれていきます。

 

捕虜生活というつらい境遇の中、彼らはダンスを踊って毎日の苦しさを発散します。同じものを愛する者同士の絆も生まれ、泥だらけの整地されていないグラウンドの中で足をずぼずぼ埋めながらのパフォーマンスもじ~んとくるのでした。

 

最初は戦争映画なのに明るいな~とびっくりでしたが、そのまま話は進むわけもなく、収容所をまとめ上げ、反米精神を駆り立てるカリスマ的な男性も登場し、ギスも「裏切者?」と疑われたり。それでもタップダンスの練習に励み、仲間にはその事実を隠し続ける。ダンスのステップが常に頭の中にあり、彼の脳内にはダンスミュージックが流れているのです。

 

前半が軽快でビート音などふんだんに入れてリズミカルな展開だけに、後半の悲しみが胸を打ちます。詳しいことはネタバレになっちゃうので書けませんが、戦争がない世の中のありがたさ、世が世ならみんなブロードウェイに行って公演ができたんじゃないかと思うと残念で残念で。

 

私のつたない筆舌では語りつくせない内容がギュッと詰まっているので、2時間半ぐらいの若干長い映画ですが、とても見どころのある作品だと思います。涙止まらなかったな…

 

韓国のアイドルには全然詳しくないので、知りませんでしたが、主演のギスを演じたD.Oさんは人気アイドルなんですよね?それにしてもあの圧巻のダンス、かなりトレーニングした賜物だと思います。素晴らしい!!