出典・映画.com

 

※ネタバレ注意です。

 

ちょうど一週間前に「長いお別れ」を近くのシネコンで見て、私自身は父の看病・介護らしきことはしたものの…父の病気が発覚してからこの世を去るまでわずか4か月ぐらいだったので、そういう意味では全然介護にたずさわったとは言えないキャリアだなぁと思い。

 

原作は中島京子さん、ご自身の体験をもとに書かれたのだそうです…なるほど!監督は「湯を沸かすほどの熱い愛」の中野量太さん。

 

 

この7年間の物語は、一家の大黒柱で、学校の先生という職業柄もあり、厳格だった父親・昇平(山崎努)が認知症になったことを、母・曜子(松原智恵子)が二人の娘(竹内結子・蒼井優)を実家に呼び寄せて報告することから始まります。徐々に症状が進行していく昇平は、妻が妻であるという認識すらなくなっていくのですが…それでも曜子は明るく、介護を続けていきます。次女の芙美(蒼井優)が、目の手術で入院する母に代わって父親の世話をする場面もありますが、「お母さん、すごいわ!」とつぶやくところがあり、それはまさしく私の思いでもありました。

 

 

長女の麻里(竹内結子)は、夫の仕事でアメリカに長い間移住しています。英語もうまく話せない彼女は、ホームシックに陥りそうにもなる。理性的・学者肌の夫にはそれが理解してもらえない、などの葛藤も伝わりました。息子も思春期を迎えて、学校に行かず友達の家でたむろしていると聞き、心配はつのるばかり…

 

芙美は、人を好きになるもののなかなかうまくいかず、つらい思いをしているのが何とも切ない。恋愛の悩みをあえて認知症の父にだけ打ち明けるシーンがありますが、姉や母には心配をかけるし照れくさいから言えないのもわかるし、父と同じ職業につかなかった=父の期待を裏切ってしまったのではないか?というプレッシャーも抱えてるんですよね。

 

 

ですが決して暗い内容ではなく笑えるところも多々あります。松原さんの演じる曜子は、ほのぼの。ちょっと天然な感じがありつつも、実はカンが鋭い(笑)というキャラクターも素晴らしく、山崎さんの飄々としたたたずまい、普段は厳しい表情だからこそ、にっこり笑うところがとてもキュートなんですよね。このお二人が夫婦を演じたのが配役に「間違いない」って気がしました。

 

 

蒼井さんはこれまでも「オーバー・フェンス」「彼女がその名を知らない鳥たち」など、ちょっと難しい役をやって、この役は蒼井さんじゃないとできないよな…とそのたび見終わって私は唸ってました。舞台も映画もドラマもできる、変幻自在な才能のある(きっと努力家でもある)女優さんですよね。記者会見で山ちゃんの仕事に対する姿勢を尊敬している、とおっしゃっていましたが、これだけ幅広くさまざまな作品に爪痕を残せる蒼井さんにそう言わしめた山ちゃんは、改めてすごい!と拍手を送らずにはいられません。

 

まぁ私が山ちゃんと蒼井さんの結婚で騒いでいたら、夫はクールなものでしたが^^;彼にとっては「カラテカ入江さんの闇営業で吉本解雇」のほうがはるかにインパクトが大きかったようです。

 

勝手に「祝・蒼井優さんご結婚おめでとう」記念で、今まで見ていなかった蒼井優出演作をレンタルして見ているところです。「雷桜」「明日への遺言」「洋菓子店コアンドル」「ホノカアボーイ」と言ったところを借りています。