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「あの子を探して」「初恋のきた道」のチャン・イーモウ監督と
高倉健の長年の交流があって実現した映画だそうですね。


健さんの映画ってほとんど見た事ないんです。
ずっと前に「あ・うん」(向田邦子原作)映画版を見て
そのときに健さんが珍しくコミカルな役で
とても良かったんですよ。今回日本部分は降旗康男監督
「あ・うん」と一緒なので、それも気になっていました。


いつもお世話になっているたまやんさんが
http://blog.goo.ne.jp/kato261/e/f74963017a1a5870e85e0042b6d4c657

↑この記事でも書いておられますけど、
健さんって画持ちがするというのか。
私が言うのもおこがましいですが、黙っていても顔を見てるだけで見がいがあります。
そして美しい中国の風景。村の人たちの飾らなさ・思いやりの深さ。
中国の僻地の人たちって、なんてあんなに表情が豊かでいい顔を
してるんだろうって今までも他の映画を見て思ったんですが
今回もそう思いました。村長さんもガイドさんも俳優さんでは
なく、地元の人だということで、納得。


言葉の通じないところでは、心細い思いをするものですが、
それを超えた健さんと村人たち。
言葉がわからなくても、通じ合えることがあるのだと痛感しました。
また少年「ヤンヤン」が素晴らしい!
あんなシーンまで撮っちゃうの?って驚いたんですが
剛一(高倉)との間の壁が取っ払われたいいエピソードでした。

気持ちを押し殺してきた生きてきた剛一は、
対照的な人間を見てうらやましいと思うこともある。
だけどどっちがいい悪いんじゃないんだな。
どちらもその人の生き様で、年を重ねてきたんだから。


(最後に)
父と息子がどうしてああいう状態になってしまったか
説明が不十分だと感想を書いてる方もいました。
それもわからないではありません・・でも
この映画では、詳しい説明は要らないと私は思いました。
健さんの苦渋に満ちた表情・ヤンヤンを見つめるまなざし
ひとつひとつに息子への愛情が感じられたから。

はっきり言って私は号泣ではないけれど、
多くのシーンで泣いてしまいました。