イメージ 1

「世界の中心で、愛を叫ぶ」行定勲監督作品。
とにかく映像がきれいでしきりに見とれてました。
日本の四季をこんなに美しく、幻想的に切り取るとは。
特に一度目の雨のシーンは、私まで雨の中にいるような錯覚を覚えました。


竹内結子演じる「聡子」はたおやかな公家のご令嬢でしたね。
それまでは穏やかな表情が多かっただけに、
侍女の蓼科(大楠道代)に決意表明するところの力強さが際立ってました。
清顕(妻夫木聡)は前半の若者らしい傲慢・気だるさから
徐々に変わっていくさまが何とも切なかったです・・


噂の!?三大女優(大楠さんのほか、清顕の祖母に岸田今日子、
門跡(尼僧)に若尾文子)の演技も楽しめました。
若尾さんって久々にお見受けした気がしますが、
やはりおきれいですね~!
石丸「世界の車窓から」謙二郎や、榎木孝明らも
腹黒い大人ぶり全開でした。どっから声出してるんだ?と思ったり。


~えっとここからはネタバレになっちゃいますので、未見の方は見ないほうがいいかも~


私は、源氏物語が好きなので、どうしても比べちゃうんですね。
恋人同士の逢瀬に「侍女」が一枚かむあたり、平安の貴族と一緒です。
源氏物語で「柏木」という青年が出てきて、主人公・光源氏の妻
女三の宮(天皇の娘ながら源氏に降嫁した)と
姦淫する話があり、それを思い出してしまいました。

柏木は、源氏のかつての親友・ライバル、頭の中将の息子。
文武に秀で、非の打ち所のない若者です。
得がたい女性を手に入れようとする欲も絡んで、
侍女に手引きを頼み、もう一度もう一度と柏木は夜這いする日々を送る。
恋愛はもちろん実ることなく、柏木は身の破滅へと。
二人の仲は源氏も知るところとなり、女三の宮は出家します。


清顕の言葉「権力・不可能への挑戦」からも
(だったっけ?はっきり覚えてないんですが)
プライドの高い柏木との共通点を感じたりしまして・・
柏木には、親友・夕霧(源氏の息子)がいました。
清顕には、本多(高岡蒼佑)という唯一心を許せる相手がいる。

まま、こじつけもあるかもですが、特に後半は
重ね合わせてみてしまいました。


しかし、清顕がしたためた手紙を見せたのも
(清様が電話したのが、一足遅かったのかもしれないですが)
逢引を手引きしたのも、すべて蓼科の画策だったとしたら?
と考えたりしたんですけどね、綾倉伯爵(石丸)への復讐。
勘ぐり過ぎかな~。


原作が気になったので、帰りに買ってきました。
私を待ってましたとばかり、本屋の文庫コーナーでは
♪Be My Last~の音楽にのって映画の宣伝がながれていました。