しかし女子中高生の約六割が「方言」を使ってメールしてるんですね~。
方言を使うと温かみもあるし、ノリもよくっていいのかも。
方言を使うと温かみもあるし、ノリもよくっていいのかも。
「でらかわいい」「なまらせからしか」 「方言」が今、脚光を浴びている。 都会の女子高生たちが各地の方言を会話に織り交ぜたり、 混じり気のない方言を用いた歌が人気を集めたり。 標準語に慣れた人々に、地方独特の言葉の 響きがむしろ新鮮に感じられるようだ。(安田幸弘、上塚真由) ≪女子高生に人気≫ 「でら(とても)かわいいー!」「いくべ」 東京・渋谷センター街。女子高生の会話に耳を傾けると、方言が飛び交っている。 「よく使うのは『…だべ』と『でら』かな。ズーズー弁も。 方言を使うと、テンションがあがって楽しい」と都内の高校三年生(18) テレビでスマップのメンバーが方言を話しているのを聞いて、 使い始めたという。クラスの友人もほとんど使っているとか。 「なまら(北海道)せからしか(九州地方)=とてもわずらわしい」 など各地の方言を混ぜたり、会話中の言葉や語尾だけを方言にしたりと、 使い方はさまざまだ。 一九八〇年代のお笑いブームで、関西弁が全国に定着。 その後も、テレビや映画で方言が使われ、次第に日常でも用いられるように。 さらに、ここ数年の携帯メールの普及で、方言が一気に広まったという。 方言ブームに、出版、テレビ業界も過熱。 主婦と生活社は今夏、全国の方言約二千語を収録した 『ちかっぱめんこい方言練習帳!』を出版した。 同社が女子中高生四千人に実施した調査では、 約六割が会話やメールで方言を使っていると答えたという。 「都心だけでなく地方の若者も方言をわざと使う。 暗号のように使って、仲間意識を強める手段になっている」 と森本泉編集長は話す。 テレビ朝日は、「マシューズベストヒットTVプラス」 のコーナーとして「なまり亭」を放送中。 八月三十一日のスペシャル番組では柳葉敏郎、 田中麗奈がそれぞれ秋田、福岡弁を披露すると 深夜にもかかわらず視聴率15%を獲得した。 このほか、ある言葉を各地の方言に変換する無料サイトも 登場するなど、広がりをみせている。 ≪即日完売のCD≫ 今夏、大手レコード会社からデビューした下地勇さん(35)は 沖縄・宮古島出身。沖縄本島でサラリーマンをしていた四年前、 宴会でエリック・クラプトンが歌っていた名曲に 宮古島方言の詩を乗せて歌ったところ、大受けした。 「サバぬにゃーん」(島ぞうりがない)という 曲名を付け公民館でミニライブを開くと、お年寄りが涙を流した。 FM沖縄で流れるとさらに大きな反響を呼んだ。 同曲を収めたメジャーデビュー作「開拓者」は、 ほとんどが宮古島方言だ。「畑」を「ぱり」、 「昔」を「んきゃーん」と発音するなど宮古島方言は 沖縄方言の中でも難解とされ、歌詞はまず聞き取れない。 それが逆に聞き手の想像力をかきたたせ、ライブは毎回大盛況。 人気は全国に広まっている。 名古屋市のラジオ局でDJをしている伊藤秀志さん(51)も 方言を生かしたシンガー・ソングライターだ。 三年前、ラジオで「大きな古時計」を秋田弁で披露した。 「遊び心で歌った」だけだが「歌っているのはだれ?」 「どこで買えるの?」など問い合わせが殺到。 「フランス語のように美しいが、何語か?」という質問もきた。 東海地方でCD七千枚を限定発売すると、即日完売した。 それを受け、大手レコード会社から一昨年三月に全国発売。 これまで二十万枚売れた。来年度の中学二年用の国語教科書 (東京書籍)にも掲載される。 伊藤さんは「方言には聞き手がいろんなことを想像できる魅力がある。 通じない方がかえっていいし、違いを大事にする方がおもしろい」と話す。 ◇ 国立国語研究所上席研究員、吉岡泰夫さんの話 「今の若者にとって、テレビの影響で生まれながらに 身につけた共通語は普通すぎて面白くない。 仲間内の会話を楽しく盛り上げるために インパクトがあって斬新な方言を選ぶ。 各地の特色ある表現を切り捨て、日本語を画一化する共通語に対し、 方言は多様性の象徴。今は人も地域も個性尊重の時代。 言葉も多様性が見直されている。 そんな流れを若者も敏感に感じ取っているのかもしれません」 (産経新聞)