出典・映画.com

 

話題作だけに平日のお昼間でもすごい人でした。女性が多かったですが、中には男性も。アン女王を演じたオリビア・コールマンの演技が話題ですが、女王の寵愛を勝ち取ろうとする2人(レイチェル・ワイズとエマ・ストーン)もそれぞれ素晴らしいです。いや~面白かったですよ。「えぐい!やりすぎじゃないの?」という感想の方もおられるようなので、「みなさまぜひ!」とは言えないかもですが、私は十分想定内でしたし楽しめました。

 

貴族の娘だったものの父親が失脚し、身を落としたアビゲイル(エマ・ストーン)は、なんとか元の地位に返り咲こうと血気盛ん。女王の幼なじみで一番のお気に入りであるサラ(レイチェル・ワイズ)を従姉と慕って(?)宮廷にやってきます。

 

最初は「あなたなんか知らない」とけんもほろろだったサラですが、アビゲイルの機転に目をつけ、女中から自分の侍女へと引き立ててくれます。しかしこれがバトルのはじまりだった…

 

サラは自分の夫が戦地に赴いているのも手伝って、フランスとの戦争を続けようと積極的。しかし女王の本心は早く講和し、フランスと停戦をしたいということだった。ところがクールで頭の切れるサラは、女王が病気がち(痛風で特に晩年は歩くのも困難だったらしいです)なのもあり、政務を代わりに執り行い、自分の意のままに女王も動かそうとするのでした。

 

そんなサラのやり方に反発し、食べすぎを止められながらもやけ食いをし、時には乱心する女王。もう目つきがね…やばいです、死んだ魚のような眼というか、やりきれないんでしょうね、自分の置かれた状況に。でありながらサラに頼らざるを得ない自分自身が悔しかったのだろうと思います。

 

いつも冷静なサラに優しさを求めていた女王。そこにつけこんでくるのが言わば新入りのアビゲイル。しかも彼女は二人の秘密を知っていた…。

 

 

宮廷ものですからやっぱり豪華な部屋のしつらえや衣装にも目が行きますし、男性でも頬紅を真っ赤につけてメイク!?気持ち悪~と正直思いました^^;しかも国が戦っていて民は生活も困窮しているのに、貴族たちはのんきにアヒルを走らせてレースをしてるんですから。狂気の沙汰ですよね。

 

 

史実ではアビゲイルもサラもいて、政治的手腕を発揮しすぎるサラに女王が嫌気がさし、アビゲイルをかわいがるようになったのも本当のようです。だけど本物のアビゲイルはおとなしい性格だったということなんですけどね…(でもそれじゃ映画になんないもんな・(笑))

 

アン女王はどうしてこんなに人生に失望しているんだろうと見ながら感じていましたが、17回妊娠して、流産・死産を繰り返し、最も長生きしたご子息でさえ11歳で夭折…。時代が時代とは言え悲しすぎます。

 

映画自体は軽快でテンポよく、歴史ものではありますが、歴史に詳しくなくても大丈夫です。楽しく見られると思いますよ。

 

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