出典・映画.com

 

わたくし何を隠そう(?)金妻のときに奥田瑛二さんに魅了され、以降ひっそりとファンを続けています。

奥田さんの監督作も何作も見てきました。そんなわけで最近はお嬢さんである安藤サクラさんのご活躍もうれしくほほえましく見ていますが、今回ガレッジセールのゴリさんが本名・照屋年之で監督した「洗骨」に主演されるということで、近所のシネコンでラッキーにも上映があったので見てきました。
 
ゴリさんはお笑い芸人だしなぁと思っていましたが、実は日本大学芸術学部の映画学科に入学されているんですよね。日芸といえば、森田芳光監督や三谷幸喜さん、爆笑問題のお二人など有名人を輩出している名門であります。
 
今回わたしも初めて知りましたが、「洗骨」というのは今でも沖縄の離島では一部残っている風習だそうです。亡き人を一度風葬(岩窟のようなところに棺桶ごと埋葬する感じです)し、4年後その亡骸に対面して骨を洗ってきれいにしてあげるという、家族や身内にとってはかなりしんどい風習ではあります。
 
主演・信綱の奥田さんのセリフは思ったより少なく、顔やしぐさで語ると言ったところかな。亡き妻への思いが断ち切れず、現実を直視できない…簡単に言っちゃえばダメ親父ですが、いかに奥さんを愛していたのかがわかります。
 
 
その儀式のために4年後親族は再び終結するんですが、長男も何か問題を抱えているし、長女(妹)は身重の体で戻って来るし…で波乱含み。
 
信綱は相変わらずお酒を飲んではだらしない生活を送っていたのですが、洗骨の儀式を前にして徐々に自分を取り戻していきます。
 
 
やはりハイライトは洗骨の儀式のところ~かな。これはもし自分がやるとなると相当つらいと思います。(このシーンは演者のリアクションを大事にしたかったので照屋監督一発撮りしたらしい)だけど、やはり「変わり果てた姿」の大切な人を見ることで「嗚呼本当に死んじゃったんだな」と腹を決めるというのか、ちょっと泥がついちゃった頭蓋骨をきれいにしている作業など見ると素晴らしい風習だと思いました。
 
信綱の娘役・水崎綾女もいい女優だなと痛感しましたし、おばあ役(信綱の姉)の大島さんのパワフルさは言わずもがな(笑)「命は女が繋いでいくんだよ!」の言葉が心にずっしりと響きました。
 
舞台の粟国島(あくにじま)の景色も美しかったな~。エメラルドグリーンの海、下弦の月、可愛いブランコ等々。
 
 
映画の最後に「照屋エミに捧ぐ」と出ますが、これはゴリさんが自分のお母さんにささげた映画なんですよね。そしてエンドロールに流れる古謝美佐子さんの「童神」(イラホーヘイ♪な~くなよ~ヘイホーヘイホーって歌詞です。ご存知の方多いはず)に思わずググっと来るのでした。
 
ハイキングウォーキングのQ太郎さんは顔立ちの濃さから島の人を演じるのかと思ってたら全然違ってた(笑)でもいい意味で笑いを適度に起こしてくれムードメーカー的な役割だったかと。good jobです。
 
これからもゴリさんには映画撮り続けてほしいですね。期待しております^^
 

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