今回稚内公演だけを残すところとなりました、「弾き語りばったり」ツアー。
蒸し暑いくもりの名古屋にようこそ、KANちゃん(笑)
エントランスホールには開場前から早くもお客さんが集まって熱気むんむん(←死語?)でした。
え~と、ライブもラス1になりましたので、思い切りネタバレで参ります。
まず一曲目に「指輪」が来たのでびっくりでした。
ご本人も「いきなり最後の方で歌う歌を持ってきましたが…」とおっしゃっていましたが。
とにかく大好きな歌が続いてうれしい限り。KANちゃんはのどの調子もよく、ピアノの音は澄み渡り、絶好調中畑清です(笑)
トークも野村萬斎でしたが、一番印象に残ったのが、どうしてこの弾き語りばったりをはじめたかの経緯です。はじめてじっくり聞いたので…。(今年で13年目に入ります)
ご存知の方も多いでしょうが、KANちゃんは2年半ほどおフランスに留学していました。私は「アレンジ能力」などなど、音楽の勉強を深めるために行ったのだろうと思っていました。もちろんそれもあったと思います。しかしKANちゃんは今回言い切りました。
「僕は逃げたんです」と…。90年代の日本は1年に一度アルバムを作るというサイクルで、あまりにも早すぎる。アルバムを作ってコンサートツアー、それと並行してまた新しいアルバムづくりという忙しさ。「曲(音楽を、だったかな)を消費しているような気がした」とおっしゃっていました。そんな日本の音楽業界に疑問を感じ、フランスに渡ったのだと。
そこでピアノレッスンをKANちゃんは受けていたそうですが、先生が何の予告もなく来ないことが4回あって。KANちゃんの前の生徒さんがスティーブ(だったかな)、KANちゃんの後の生徒さんが中国人の女性の・温(ウェン)ちゃんだったそうで。先生が来ないから3人で先生の到着を待ったりしたそうです。そんなときにKANちゃんが日本でミュージシャンをしていたという話を小耳にはさんでいて、スティーブが「じゃあちょっと曲やってみてよ」とお願いしたんだとか。
ところがそのときにKANちゃんはどうしても演奏ができなかったと…。それまではバンドツアーしかやったことがなかったので、ひとりで弾き語りで曲を披露できなかった自分に、ミュージシャンとしてどうなんだろう?と感じたのだそうです。
そんなことから帰国後自分一人、グランドピアノを弾きつつ始めたのが「弾き語りばったり」だったそうです。そんな深い意味があったのか…とある意味私はショッキングでもあり、ミュージシャンとして生きていくことの難しさを感じて、胸を打たれました。そうだったのか、KANちゃん。
まぁそんな深刻な思いも、「ピンクカードコーナー」で見事にひっくり返されるわけですが(笑)三重県から来ているお客さんがいたので、「伊賀上野城で平井堅さんが忍者のバイトしてたらしいですよ」とか、出身が大野城市のお客さんには「飛鳥さんと一緒だ!覚せい剤は…だいじょうぶですか?」とまさかのツッコミ。まさにライブならでは^^;
後半は、はじめてレコードを買ったミュージシャンだというチューリップの曲も聞けました。「青春の影」は以前小田さんの名古屋公演(野外)で財津さんがゲストの時替え歌で歌っていたよなぁと思い出しつつ。(♫遠くまでわざわざ来てくれて本当にありがとう~みたいな感じでした)
名古屋は近いので前乗りは今回せず、当日お昼に新幹線でやってきたというKANちゃん、「だから前日のネタがない」と。京都公演に行く時に、新幹線でKANちゃんはDJ KOOさんと通路をはさんで隣の席になったそうですが、やっぱりKOOさんはめっちゃ目立つそうで、ファンと思しき方々が大騒ぎしてたそうな。「あ、あれ!SAMだよ、SAM」熱狂的な間違いをされたファンの方ということで…なかなか面白かったです。
前に弾き語りばったりを見たときは1時間半ぐらいだった気がするのですが(記憶違いならごめんなさい)今回は終演後スマホを見たら約2時間半。濃厚で充実した弾き語りばったり公演。KANちゃんのミュージシャンとしての矜持と決心を改めて見せてもらった思いです。まだまだ進化をとげてくれるであろうちょっと年上のお兄様の活躍を、私は楽しみに応援していきます(^^)/