性別について、昔のジョークで、「sexは?」と聞かれて、「週2回」。 今では、「sexは?」と聞かれて、「男・女・その他」。

東京五輪2020の理念が「多様性と調和」であった。そのため、LGBTQなど性的マイノリティーであることを公表して出場した選手が180人以上と過去最多となり、トランスジェンダーである選手が初めて自認する性別で出場した。 米国では、全てのパスポート申請者の性別で、新たな選択肢としてどちらでもない「Xジェンダー」が選べるようになった。2018年に電通が行った調査では、日本におけるLGBTQ+の割合は8.6%で、「左利きの割合と同じ」である。

多様な性のグラデーションについて

<誰にでもある性の4要素>

法律上の性別 : 生まれたときの身体的特徴などから判別される性
性自認 : 自分が感じている性(男性・女性・どちらにもあてはまらない・どちらかわからないという人もいる。)

性的指向 :  恋愛対象となる性や性的な関心が向いている性 

( 異性・同性・どちらにも惹かれるという人と、逆にどちらにも惹かれないという人もいる。) ※趣味、嗜好とは異なる。

性表現 : 服装や言葉づかい、しぐさなど、自分が表現したい性

つまり、性のあり方はLGBTQとそれ以外の人でくっきり分かれているのではなく、グラデーションになっている。 

その他にも、以下のような例もある。Xジェンダー(自身の性を男女いずれかに限定しない人々のこと)、アロマンティック(他者に恋愛的に興味関心を抱かない人々のこと)アセクシュアル(他者に性的に興味関心を抱かない人々のこと)、パンセクシュアル(性的指向が性別にとらわれない人々のこと)。

近年、LGBTに代わり、SOGIという言葉で表現されることもある。
SOGIは、「Sexual Orientation and Gender Identity (性指向と性のアイデンティティ)」の頭文字からとった言葉である。誰もがそれぞれのセクシュアリティを持っているという考え方に基づいている。 

性別については、ここ数年の間に人事制度を整備する企業やジェンダーレスな制服を導入する学校が増えている。2021年上半期の日経MJヒット商品番付で「ジェンダーレスファッション」が東の前頭に入っている。「ジェンダーレスファッション」がコロナ禍で人気の理由は、自宅で過ごす時間が増えて、人と会う機会が少なくなり、他人の目を気にする必要性が減ったことにより、『自分の好きなファッションを楽しみたい』という人が増えたつまりは、「人にどう見られるか」から、「自分が何を着たいか」へ変化している。

 最後に、泌尿器科ないしメンズヘルスにとって、ストレスが多く、男・女の中性化が懸念されているが、男性の健康バイオマーカーである、テストステロン値の把握がますます重要になると思われる。

 

 男性ホルモンの低下で起きる症状を、「LOH症候群」(加齢男性性腺機能低下症候群)と名づけています。その数は600万人とも。分かりやすく紹介します。

最近、何事にもやる気が出ない、疲れやすい…。実は、年のせいではなく「ホルモンの低下」が原因かもしれません。ホルモン低下といいますと、女性の更年期障害を思い浮かべますが、男性も女性の更年期に似た症状を訴えるケースがあるのです。

通常、男性ホルモンは年をとるにつれて緩やかに減って、70代で8.5pg/mlに近づいていきます。しかし、LOH症候群の場合、早いと40代50代でこの値を下回ってしまうのです。治療として、男性ホルモンを注射で補う治療をすると症状は大きく改善します。」「LOH症候群は、男性ホルモンの値が低い、ひとつの病気」だと指摘します。

男性ホルモンは主に精巣で作られます。筋肉や骨を作ったり、性機能を維持したりする役割のほか、脳の認知機能にも関わっていると考えられています。
 このため、男性ホルモンが減少すると、筋力が低下したり、骨粗しょう症になったりするほか、記憶力ややる気の低下といったさまざまな症状が出ます。
 さらに、男性ホルモンの減少にはストレスも大きく関わっていることが分かってきました。強いストレスが長時間続くと、脳のほうから精巣に男性ホルモンを出す指令が出なくなり、男性ホルモンが減るのです。さらに、男性ホルモンには肥満を抑える効果もあるため、ホルモンの減少に伴って内臓脂肪が増え生活習慣病のリスクも高くなると指摘します。
 
「女性の更年期障害は多くの場合、回復するが、男性の場合、待っていても回復しない。重症の場合、医師と相談した上で、男性ホルモンを注射で補充する治療が必要だ」と言わ
れています。

手軽にできるチェックリストもあります。
日本泌尿器科学会などのホームページでも紹介されています。
この中では、以下の17の項目が示されています。

「総合的に調子が思わしくない」
「関節や筋肉の痛み」
「ひどい発汗」
「睡眠の悩み」
「よく眠くなる、しばしば疲れを感じる」
「いらいらする」
「神経質になった」
「不安感」
「体の疲労や行動力の減退 」
「筋力の低下」
「憂うつな気分」
「絶頂期は過ぎたと感じる」
「力尽きた、どん底にいると感じる」
「ひげの伸びが遅くなった」
「性的能力の衰え」
「早朝勃起(朝立ち)の回数の減少」
「性欲の低下」

判定方法は、
それぞれの項目について、非常に重いを5点、無しを1点として、
「軽度」27点~36点
「中等度」37点~49点
「重度」50点以上、
となっています。

 こうしたチェック表を活用するほか、重要なポイントとして、朝の勃起が2週間以上ない場合は疑いが強いといわれています。さらに、予防や男性ホルモンを上げるためには、生活習慣の改善も重要です。


対策のポイントをまとめました。
まずは、『食事』。
脂肪分の摂取量が少ないと、ホルモンが低下するということで野菜だけでなく、肉や魚も適切にとることが重要です。たまねぎや、ねぎ類に含まれる成分が、男性ホルモンを高める働きがあるという研究結果もあります。

次に、『運動』。
激しい運動をたまに行うより、短時間でも継続して体を動かすことが効果的だといいます。

そして、『生きがい』。
ストレスを感じ、緊張状態が続くことが、男性ホルモンの分泌によくないということで、生活に張り合いが出るような趣味を楽しむことも大事だそうです。

皆さんも、是非この機会に、「LOH症候群」(加齢男性性腺機能低下症候群)について、正しい知識を整理し、生きがいのある日常生活を送りましょう。