続き
サーフィンのとりこになった私は
毎週末海へ行く生活に変わった。
真っ白だった肌はみるみる小麦色になった。
美白が自慢だったが、もはやそんなことはどうでもよかった。
毎週末が待ち遠しくて、
サーフィンしている間は嫌なことをすべて忘れられた。
湘南に住んで、毎日サーフィンが出来たら・・・
そう思って、物件も検索した。
でも、湘南に住むと通勤時間が今までの3倍になる。
移住にはどう考えても無理があった。
仕事は相変わらず激務のわりにはつまらなくて、
週末とのテンションの落差が日に日に大きくなってきた。
つまらないつまらないと過ごす平日、
死ぬほど楽しい休日。
この差って・・・・。
ものすごく違和感を感じ始めた。
「そう遠くない将来、仕事を辞めよう。」
私の頭の中をこんな思いが占拠しはじめた。
思いだしたら止まらない。それが私の性格。
仲の良い同僚たちに話したが、だれにも相手にされなかった。
「ここより安定した職場でこのレベルのお給料もらえるとこなんて絶対ないよ」
「平日は割り切って、週末楽しめばいいじゃん」
みんな口々にそう言った。
彼らのいうことは間違ってはいない。
けれど、今の私には受け入れることは出来ない。
「通勤が大変なら、通勤しなきゃいいんじゃね?」
ついにそんな考えもよぎり、サラリーマンを脱出することしか考えなくなった。
いろんな固定観念から解き放たれはじめ、私の脳は自由な発想をする楽しさを思い出した。
次々にやりたいことがあふれ出てきた。
今まで趣味もなく、休日はごろごろし、定年まで会社員として勤め上げることになんの疑問も持たなかった
私が、自由に満ち溢れだしたのだ。
突拍子もない夢も含まれるけど、そんなんやってみなければわからない。
ずっとずっと守りに入っていた。
でも本当はなんのスキルもなく、ぬくぬくと安定した職場にいるほうが
今の時代、リスキーだってやっと気づいた。
安定と引き換えに、理不尽さに耐え、時間と自由を拘束され、
自分が自分がいられなくなるよう人生、まっぴらごめんだ。
ヨガに出会わなければ、サーフィンに出会うことはなかった。
サーフィンに出会わなければ、起業を目指すこともなかった。
そう、私は起業する。
絶対に。




まるで天国のようでした。