白山麓・ぶなもり自然塾

白山麓・ぶなもり自然塾

ぶなもりの活動報告とメンバーの情報交換の場です!

Q・ぶなもり自然塾ってなに??

豊かな自然に囲まれる白山麓。この地に住むことの幸せをおおいに感じるべく、子どもも大人も、もっともっと自然の中に分け入って遊ぼう!という、ゆるやかな集まりです。
子どもたちがもっと自然の中で活き活き遊べるようになるには、身近に自然と遊ぶ術を伝える大人の存在が必要です。だから、どうせなら大人も子どもも一緒になって遊んじゃえ!…というわけで、自然と遊ぶことが大好きな有志が集まって、「ぶなもり自然塾」を立ち上げることとなりました。
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夏本番。夏休みにも入った子ども達と、まずは川で遊んで、
身近な川の自然や生き物と触れ合ってもらおう、ということでの今回の企画です。

白山麓・ぶなもり自然塾
場所は、蛇谷川。白山スーパー林道の入り口近く。上流なので水は澄み切ってます。


前日まで不安定な天候で、お日様の姿は見えないとはいえ、
川の水もきれいでどうにか川での活動を実施することができました。

今回の一番のお目当ては「ゴリ」捕りです。
カジカやヨシノボリなどのハゼっぽい(ハゼの仲間ではないようですが)魚のことを、
この辺りでは総称して「ゴリ」と呼ぶそうで、佃煮や骨酒にして食されています。
かつては、ダシをとるのによく利用されて、そのダシは夏場にそうめんを食べるのに
欠かせなかったとか。

まずは、アキさんの解説でゴリ捕りの方法をレクチャーします。
白山麓・ぶなもり自然塾-あきさん

箱メガネと専用の網。あとは、「どの辺りによくいるか?」を見極めながらコツを得る。
ゴリの身体は保護色になっていて、川底の模様にとけ込んでいて実に見えにくいのです。
早速、川に入ってチャレンジ。

白山麓・ぶなもり自然塾

白山麓・ぶなもり自然塾

白山麓・ぶなもり自然塾

子どもはもちろん、大人も箱メガネを食い入るようにのぞきます。
そのうち、「いたー!」という歓声が。網を使って、捕獲成功!!

白山麓・ぶなもり自然塾

捕まえて来たゴリを白っぽい容れ物に入れると、途端に身体の色がすーっと薄くなって変化しました。
すごい適応力!
その後も、捕獲成功の歓声があちらこちらで上がりました。

白山麓・ぶなもり自然塾
結局、その日に捕まえたゴリはなんと43匹!
予想以上の数に、アキさんもびっくり!でした。

小さな川虫も何種類か観察できました。
白山麓・ぶなもり自然塾
カワゲラの仲間。小さいのに、なんだかすっごく緻密なメカのような身体のつくりに
思わずみとれてしまいます。


ゴリとりに一段落した子ども達は、
ライフジャケットを着けての川遊び。

白山麓・ぶなもり自然塾

白山麓・ぶなもり自然塾

白山麓・ぶなもり自然塾

日差しも無く水は冷たい!のに
プカプカ流れてみたり、もぐってみたり、岩から飛び降りてみたり。。。
唇青くなってガチガチ震えながらも
どんどん水の中へと挑んでゆくのでした。
さすがキッズレンジャー!

お昼ご飯を食べている最中、
先に帰った父兄の方から電話が入り、
中宮スキー場あたり(ここより下のほう)では嵐になってる、とか。
確かに、黒い雲がちょっとずつこちらの方角に流れてくるし
風も吹いてきました。
急いで河原から撤収して、石川県自然保護センターの中宮展示館に。
そして、荷物を運び終えた頃
辺りは暗くなって、ザーッとスコールが降り出したのでした。
ほんと、間一髪!

午後は、中宮展示館内を見学したり
ビデオシアターを見たりして
のんびり自然のことを学ぶ時間を過ごしました。

参加した保護者の方の中には
「昔はよくゴリとりして遊んでた。久しぶりにやって楽しかった!」
「ゴリとりにハマッた。また今度自分だけでやってみたい。」
といった声も聞こえ、本当に子ども達以上に楽しんでいた様子でした。

梅雨が長引き、夏らしさが戻って来ない白山麓ですが
子ども達が川で思い切り遊べて、本当に良かった。。。

「川ガキ」とは、カヌーイストの野田知佑氏が言うところの
今や絶滅寸前の子ども達のこと。
確かに、勝手に子ども達が川辺で遊ぶ姿など、見かけなくなりました。
でも、こうやって子ども達がどんどん川で遊ぶ様子を見ていると
彼らの奥底に眠っている「川ガキ」の才能というものを感じずにいられません。
手取渓谷が生活圏の真ん中にどーんと存在している白山麓では
なかなか身近な川に入ってゆく、ということはできない環境なのですが
そこは大人が少し手助けしてあげて
もっともっと川と遊べる機会を増やしてあげたい、と思います。

次は、釣りもいいですねー。

白山麓・ぶなもり自然塾
美しい川辺の様子。。。
去る6月23日(火)の夜、ホタルの観察会が、丸山公園下の河川敷(ホタルの里)で行われました。

まずは、「尾口ホタルの会」のクラブハウスにて、あきさんによるホタル講座です。
ホタル博士が教えてくれるホタルの生態、意外?な真実等々に
みんな真剣に聞き入っていました。

白山麓・ぶなもり自然塾-ホタル1

ホタルがカブト虫の仲間だってこと、知ってましたか?

ホタルは世界で2000種以上、日本でも50種近く。
石川県では9種。そのうち光るのはゲンジボタル・ヘイケボタル・ヒメボタルの3種

●知られざるホタルの一生
 …成虫はエサを食べずわずかな水だけ飲んで生きる(1週間程度の命)
  約500~1000個の卵を産む
  ふ化した幼虫は11月頃までカワニナなどを食べて育つ・水の中で冬眠(仮死状態)
  そして、この時期の雨の日に上陸・上陸してから50日で成虫に!
●ホタルの点滅
 …西日本では2秒間隔、東日本では4秒間隔、中間型の3秒間隔もある、熱帯型は1秒間隔
  温かい地方ほど短い
  光るのは、異性を探すためのアピールをしているため
などなど…

白山麓・ぶなもり自然塾-ホタル2

長年、ホタル研究に情熱を傾けて来られた人ならではの
幅広い知識と、ホタルへの愛情が感じられたひとときでした。

そして、夕闇も濃くなってきた頃。
いよいよ川原に出てホタルの観察です。

あきさんおすすめの「秘密の場所」での観察です。
まだ出始めの頃でしたが、川の対岸にもこちら側にも
ひとつ、またひとつとホタルの光が!

懐中電灯もない闇の中
幻想的な光景が広がっていました。

みんな列になって、草むらの中をソロソロと進むのですが
闇の中って、だんだん目が慣れてくると不思議な気分になります。
きっと自然の中で暮らす動物たちって
こんな感じで闇の中に潜んでいるのでしょうね。。。

ホタルは英語では「fire fiy」…飛ぶ火。
日本語の由来は、ほ(火)が、垂れている、という意味だとか。
自然界の中でも、光を放つ生き物というものは
やっぱり特別な存在ですよね。
そんなホタルの魅力を、あらためて知った観察会でした。




去る5月24日(日)に、第2回「はくれい・生きものキッズレンジャー」の活動が行われました。
「地元の身近な山に登る」というテーマのもと、「白抜山(しらぬきやま)・標高891M」が、
今回の目的地です。

しかし!天気は前日から不安定。
予報でもいつ雨が降ってもおかしくないという状況だったので
念のため、雨の場合に予定しているプログラムの準備もしつつ
出来る限り山に行きたい!ということで、集合のその時まで天気を見極めることになりました。

白山麓・ぶなもり自然塾-白抜1

当日、午前10時。集合場所の東二口集落の登山口。
かろうじて雨は落ちて来ておらず、登山決行~!ということに。

1~2年生の子ども達は、車に分乗して林道をさらに登り
途中の合流地点で上級生達を待つ事になります。
上級生と2年生の希望者達は、3つの班に分かれて、いざ出発です!

白山麓・ぶなもり自然塾-白抜2

集落の裏手から、山道に入ります。
杉林の中、しばらくは少し急な道が続きます。
周囲には滴るような緑。
早速、いろんな生きものを見つけた子ども達は
あれもこれも、と講師の先生を質問攻めに。

白山麓・ぶなもり自然塾-白抜3
かに~、ゲット!

白山麓・ぶなもり自然塾-白抜12
ヤマアカガエル!(ちなみにこのカエルは子どもの一人が家で飼う事になりました)

アリジゴグの巣、ヤスデ、虫こぶ、カンアオイ…。
何度も立ち止まってなかなか進めない子ども達もいて
急坂のつらさも余り感じていない様子でした。

途中何種類か見つけた木々の白い花々も、とってもきれい。
白山麓・ぶなもり自然塾-白抜4

白山麓・ぶなもり自然塾-白抜5

水芭蕉の群生地も過ぎて(今は花の季節は終わり、オバケのようにでっかい葉を広げています)
白山麓・ぶなもり自然塾-白抜8

いったん林道と合流する箇所についた頃には、少し雨が落ちて来ていました。
ここまでで1時間半強くらい。
一汗かいて濡れると寒くなりそうなのでみんなにはカッパを着てもらいました。

お昼ご飯は頂上で、と予定していたのですが
雨も心配だったので、低学年の子ども達と合流してすぐに
雨が落ちて来ない木々が茂っている登山道の中で食べる事にしました。

白山麓・ぶなもり自然塾-白抜9
ちょっと狭いけど、おにぎり美味しいね~~!!

低学年の子ども達は
車から降りて林道を小一時間ほど歩いたそうなのですが
虫博士の平松先生、草花好きなお母さん達、というスタッフと一緒で
それぞれが、虫を探したり、草花で遊んだり…と
実に楽しそうに遊び尽くしていたとか。
計画では、低学年組もここから頂上まで一緒に登るつもりでしたが
急な箇所がいくつかあり、雨で余計に危ないだろうということで
今回は、引き返してもらうことにしました。
でもほんと、充分遊んだからもういいよ~!という様子だったので
良かった良かった。

白山麓・ぶなもり自然塾-白抜17
低学年(&未就学児)チーム。頑張って歩いたよね~。

最後の登りは、ほんの15分程度なのですが、けっこうな急登。
でも、ご飯も食べて元気回復!の子ども達はさっさと登りきってしまったようです。
ハアハア言ってたのは大人だけ!?

白山麓・ぶなもり自然塾-白抜10
山頂の反射板の前で記念写真。みんな満足そうな顔ですね。

今日は残念ながら霧の中で展望はききませんでしたが
本来なら、山頂からは白山や手取湖が広がる風景が望めます。
白山麓・ぶなもり自然塾-白抜13
晴れた日の山頂からの眺め

下りは、滑らないようゆっくり、そしてのんびりと歩きました。
講師のアキさん、真野さん、山下さんからの
草花遊びの伝授も大好評!

白山麓・ぶなもり自然塾-白抜11
ホオの葉の風車!これはすごい~!!みんな夢中でした。

白山麓・ぶなもり自然塾-白抜14
イタドリの茎で笛づくり。ぼぉ~っという音の高低が様々で
下りの森の中は、イタドリ笛の大合奏。
なんとも美しいハーモニーが響き渡っていたのでした。

白山麓・ぶなもり自然塾-白抜6

白山麓・ぶなもり自然塾-白抜7
よく似ている「ホオ」と「トチ」の葉っぱ。
どっちがどっちか、分かりますか~??
(正解は最後に)
下からはなかなか見えないのですが、ホオの白い花もたくさん咲いているようで
花びらやガクが落ちていて、いい香りを放っていました。

白山麓・ぶなもり自然塾-白抜15
途中、大木が倒れた跡の大きな穴を発見!
穴があれば入りたい…!という子ども達デス。

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そして午後2時半、全員が無事、下山しました。

白山麓・ぶなもり自然塾-白抜16
疲れた~、といいつつ、ふりかえりシートを書く子ども達。
大人達も、一安心。

と、ここからもさらにドラマが!

みんな下山して、シート記入も終わって、お迎えもボチボチ来始めた頃、
なんと、雨がザーッ!と降り出したのです。
道中、ポツリポツリ程度でなんとかもってくれたのは
おそらく「晴れ男」アキさんの念力により、雨雲が押しやられていたに違いない!
という結論に至りました(笑)
素晴らしいパワー!今後とも頼りにしてます!

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今回は、とにかく山に登る事ができた!というのが何よりの収穫でした。
自分の住んでいる場所を山の上から見る…ということって
ちょっとした感動じゃないかと思うのです。
そして、自分たちが住んでいるすぐ身近に
こんなに豊かな自然が存在して、そこに入って行けるんだ!という
新たな視点。日常から少し離れた時間。
そんな「身近な山登りの魅力」を、
少しでも子ども達に感じてもらえたなら良かったな~と思います。

そして、かつてのガキ大将だった講師の皆さんが
実に楽しそうに自然と遊ぶ技を披露しているのを見て
世代は経てしまったけど、今ここで、確かに大切な「伝承」が行われたんだ~!
と、これまたひとり感動してしまっておりました。

山登り、最高です!

※トチホオクイズの答 → 上写真・トチ / 下写真・ホオ