僕はご飯をたべる。
手をあわせて、心をととのえて、生産者にいのって眼をつむり
祈りが終わるまでわずか数秒だが、その間に世界をたびするのだ。
このパンはフランスで作られたものだろうか、
この水は六甲のいや、まだ見ぬ森のおくから湧き出た水だろうか、
ウィンナーはドイツの職人が暑い工房で汗をかきながら作ったのだろうか?
…
祈り終わって眼をあけると、いつもの日常がある。
質素な食事をすませたら、
自堕落で廃棄的な生活はもうやめよう。
誰かを呪って自分の傷を膿ませるのはやめよう。
人間何度でもやりなおせるんだ。
水に濡れた泥の底にも、陽光を浴びた川の光沢があるように。
僕はそこにいけるだろうか?いや、それを探すたびだ。
ごちゃごちゃ悩むのももうやめよう。
さぁ、手をあわせていただきます。
