疲れた体で家に着くとポストには一枚の封筒が。
最近街を騒がせているカラスなんかとは比べものにならないくらいの黒さの封筒に全く対称的な真っ白な紙が中に一枚。
その紙には真っ黒な字でたった1行

ライアーゲームにようこそ

こんな手紙が来たらどうする。
きっとあんたはなんのことだか全く把握できないであたふたするだろう。
これから魔のゲームが始まるとも知らずにね。

今日は友達二人とライアーゲーム ファイナルステージを見に行った。

上映開始までヒマを潰すためにCD屋に小1時間。

上映時刻ギリギリに会場に駆け込み、席をとった。
前から7、8番目右から5番目。ベストポジション。

映画館が真っ暗になったときのワクワクはあんたにもわかるだろ。

やはり騙し騙されの繰り返しは見ていて楽しいもんだ。
あくまで見ていてだけれどね。
こんな中に飛び込んでいくなんてワニいっぱいの池に飛び込むくらい素敵なことだもの。
見ているのはワクワクするけど飛び込んだら知らないうちに死神がそこまで迎えにきてるんだ。

映画の内容はというと、とりあえず興奮するとだけ言っておこう。
これ以上何か言ってライアーゲーム事務局に目をつけられたんじゃたまったもんじゃないからな。

○○○様
映画内容をバラしたため特別ペナルティーとして1億円を支払っていただきます。

なんて具合にね。
【呪怨】というホラー映画を知っいるだろうか。
俺はホラーが苦手だ。多分こんな時じゃなければ俺とは無縁の映画だろう。
昨日、今日と幸手市のタケトの家に5人の子供たちで泊まった。
夜中にホラー映画を見ようという流れができ、ミキオがTSUTAYAで【呪怨】を選び家へ向かった。
ホラーとお笑いの2本セットのつもりだったが一夜で2本見るのは不可能だという結論に至りホラーのみに決まった。
夜1時、上映会開始に先だち皆必死でトイレを済ました。だって上映後に一人でトイレなんて絶対行けないだろ。
ベッド上での席順も決まり部屋を真っ暗にした。
上映開始。
真っ暗の部屋のテレビで恐ろしい目が写し出される。
そして怖げな雰囲気の文体で書かれた2文字が出てきた。


【邪怨】じゃおん。


邪怨じゃねぇよ!!

どっかの芸人がツッコミそぉなコメントが頭をよぎる。
俺は瞬時に理解した。これは偽物だ。
皆もそう気づいたようだ。瞬間、ミキオに罵声の嵐があびせられた。
しかしミキオは自分の【呪怨】と【邪怨】の失敗を認めようとしない。
彼いわく、【じゅおん】は漢字で【邪怨】と書くらしい。

エロいシーンが多数出てきた。俺は確信した。これは確実に偽物だ。
しかしミキオはなおも失敗を認めようとしない。
ミキオいわく、俺たちが【邪怨】で見たエロいシーンを【呪怨】でも全く同じシーンを見たことがあるらしい。

どうやらミキオはどうにかして自分の借りてきた【邪怨】を【呪怨】にしたいらしい。
無理矢理すぎる。
そして俺はもう一つ確信した。ミキオという人間は生きてるだけで面白い。

この映画の制作者は【呪怨】を借りる人が間違えて借りるようにこの題名にしたのだろうか。もしそうだとしたら…俺たちはまんまとハマったわけか。
中身が良ければまぁ良かったが、中身も最悪。
こんなことならお笑いのも借りときゃ良かったと後悔した。

俺はあんなにオードリー春日が恋しくなったのは初めてだ。

最後に一つだけおまじないを教えておこう。
ミキオが話しててテンションがあがり、カミカミになってきてちょっとウザいかなと思った時に使ってみるといい。
ピタッとおさまるだろう。
すごくシンプルだ。






なぁミキオ。【邪怨】て知ってるか?
この前、卒業試合があった。
その日は土砂降りで、グラウンドは湖。
俺はGKだ。
こんな中やったらテディベアのように体が茶色くなるのは目に見えている。
「ピーヒュルル~」
試合開始のホイッスルだ。
水がたっぷりと含まれた笛で吹いたのは明らかだ。
もうこうなったら気合いしかなかった。
テディベアへの準備は整った。
相手は後輩であり新人戦埼玉県の覇者。
これに勝てば俺らが埼玉県チャンピオンに…。
動きにくいのはお互い様。
試合唯一のシュートをセービングし、無失点で俺の試合は幕をとじた。

かに思われたが、ここからが卒業試合ならではのイベント。

急いでフィールドユニフォームを借り、着替えた俺の背番号は「9」。
エースナンバーだ。
そして俺はGKだ。
その姿でグラウンドの右サイドへポジションをとった。
もう一度言うが俺はGKだ。
ろくに体力のない背番号「9」のGKは果敢にシュートを狙った。
トーキックで右角へ1点。
混雑したゴール前でのゴッツァンで2点。
エースナンバーのGKはこの日、2得点の活躍を見せた。
5試合の合計5対4で3年生チームが在校生チームをくだした。
背番号「9」は2得点で得点王に輝いた。(あと1人いる)
その日俺は無失点2得点だった。

最後に知っおいてほしい大切なことがある。


俺はGKだ。