どこだったか。
ある病院には少年が入院していた。
彼は病院で独りぼっちだ。
毎日退屈で孤独な生活が続いていた。

ある日、他の病棟から
ギターの音が聞こえてくる。
“アルハンブラの思い出”だ。

青年は毎日7時半になると、
ギターを取りだし曲を弾くようになる。
2人は友達になった。
少年だけじゃない。
他の患者も、彼のギターを楽しみに待つようになった。


少年はもう1人じゃない。
病気だってどんどん治っていく。


しかしそんなある日
今度は青年の方の病気が悪化する。

死が近い。

青年に心残りはない。
人生の最後に友達ができた。

いや、
唯一あるとすれば
これから少年のために
ギターをひいてやることが
出来ないのが気がかりだ。

そこで青年は考えた。
そうだ。自分のギターを録音するんだ。
そしてそのテープを、
毎日7時半に流してもらうんだ。
自分が居なくなったことは
少年には隠して。


…そう。隠して。