武器は手の延長――パラアスリートのパフォーマンスから考える | 格闘するものにハナマル

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パラ競技では、義肢によって素晴らしいスポーツパフォーマンスを発揮する選手たちがいる。

走り幅跳びでオリンピアンさえもしのぐ記録を打ち出す

マルクス・レーム選手の脳は義足を支配している筋肉の動作に、

両側の脳を使っているそうだ。

(通常、右手右足には左の脳、左手左足には右の脳を使う)

 

 

こういったパラアスリートの脳を総称して、

パラリンピックブレインと呼んでいる。

これは、人間の脳の再編能力によるものだそうだ。

 

武術では「武器は手の延長」ともいわれるが、

武器を持つことで、今までには使われなったような脳の使い方を、

武術家もきっとしているのだろう。

手の延長とはいっても、やはり武器を使うことでしか、

その脳の働きは鍛えられないだろう。

 

そういった意味では、テニスプレーヤーも、ボート漕ぎにも、

フェンシング選手にとっても、武術家にとっても、

パラアスリートのトレーニングは参考になるに違いない。

 

少しずれるが、ラマチャンドランの『脳の中の幽霊』では、

幻肢痛と呼ばれる痛みを解消するのに、

鏡に映った自分の手を見るという視覚情報を用いる。

 

実際に存在しない手に神経があるはずもなく、

その痛みの解消は視覚がきっかけとなっている。

 

人間の脳と体の関係は、内部に通っている神経ばかりでなく、

視覚や実際の経験・訓練などをもとに作られているらしい。

自分の身体を動かすとともに、

自分の身体を理解していきたい。