他人とは何か

自分が世界であり、世界は自分において存在しているのだから、当然、他人というものの存在もそうだということになる。世界にはたくさんの他人が存在していて、それぞれに生きているけれども、それらはすべて、自分が見ているその光景だ。もし自分が存在しなくて、自分が見ているのでなければ、それらは一切存在しない。世界も他人も存在しない。なぜなら、それらを見ている自分が存在しないからだ。

引用:池田晶子「14歳からの哲学」


初めて読んだときは意味がよくわからなかった。その後何度も繰り返し読んで、やっと意味がわかりつつある。

他人というもの自分が見ている光景で、自分が見ているのでなければ他人も一切存在しない。

それを見る自分が存在しなければ、他人も存在しない。

大きい方の自分は絶対的なのだから。

自分というのは、不思議な在り方をしているということだけは、読む度に、読めば読むほどわかってきて、そしてさらに自分というものが何なのかがわからなくなる。

でも、きっとこれでいいのだ。

~つづく~