【県別武将地図・大分県】

　　大友宗麟の菩提寺である大徳寺・瑞峰院（京都市北区）

大分県はほとんど豊後（ぶんご）国ですが、一部豊前国がかかっています。ここはずっと大友氏が守護・守護大名として治めて来ました。

大友氏はどんどん実力をつけて台頭し隣国に侵攻していきます。最盛期は本拠の豊後だけでなく豊前、筑前、筑後、肥前、肥後の６か国のほか、日向、伊予の半国も領有していました。

大友氏の軌跡を見てみましょう。１６世紀半ばまで生きた大友義鑑（よしあき）は祖父や父の補佐を受けて領国拡大に乗り出しますが、逆に周防（すおう）・長門（ながと）の大内義隆の侵攻を受けたりしました。

さらに義鑑は病弱だった嫡男の義鎮（よししげ＝宗麟）よりも三男の塩市丸に家督を譲ろうとして内紛が起こり、ついに義鑑は宗麟派の家臣に襲われて塩市丸ともども殺害されます。

居館の２階にいたところを襲われたので、これを「二階崩れの変」と言います。

跡を継いだ宗麟は積極的な施策を繰り出し豊後を統一します。さらに肥後（熊本）の菊池氏を倒し、筑前（福岡）の少弐氏を滅亡させるなど、領国を豊後、豊前、筑前に広げます。

西国の大内氏の衰退に代わって今度は毛利氏が北九州に進攻して来ます。それに対応しながら毛利氏と結ぶ肥前（佐賀）の龍造寺隆信とも抗争を続けます。

そうこうするうちに今度は南の島津氏の勢力が伸長しどんどん北上して来ました。島津氏が九州制覇の野望を秘めているのは明らかでした。

大友宗麟（義鎮）は天正６年（１５７８）に日向（宮崎）の耳川で島津軍と一大決戦を行いますが、敗れてしまいます。多くの重臣を失いました。

九州北部で反大友のろしが起こります。島津氏の北上が本格化し、たまらず宗麟は大坂に赴いて秀吉に救援を頼みます。

破竹の島津軍は本拠の豊後にも侵攻して来ました。そこで秀吉の九州攻略が本格化します、大軍を前に島津氏は屈服します。

秀吉の仕置きによって宗麟の嫡男・義統（よしむね）に豊後国を安堵します。宗麟、義統ともキリシタン武将でした。

ところが朝鮮出兵で小西行長の誤報を信じて撤退したことが大きな問題となり息子の義統は改易されてしまいます。

そのあと豊後は秀吉の直轄地になるのです。関ケ原の合戦後、豊後は多くが幕府領となります。

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県別武将地図・大分編 大友宗麟活躍（戦国漫遊録 第275回）