【府県別武将地図＝広島編　　福島正則など変転極まりない広島】

広島城

広島県は旧国名で言えば東部が備後、西部が安芸ということになります。戦国時代の前半は山名氏が両国を支配していました。

ところが、山名氏の力が弱ってきて周防から台頭し勢力を伸ばした大内義興が安芸国守護となる一方、出雲守護代の尼子経久が南下して備後の国衆をバックに大内側を攻めるなど国境で戦が常態化します。

お互いに攻めたり攻められたり寝返ったり寝返られたりの繰り返しでした。一時は尼子氏は大勢力となっていたのですが、吉田郡山城の戦いで大内氏に敗れて急速に弱体化していきました。

こうした混沌の状況が大きく変わったのは大内義隆の重臣であった陶晴賢（すえ・はるかた）の下剋上でした。義隆は自害に追い込まれました。

そんな中で次に台頭してきたのが一国衆に過ぎなかった安芸の毛利家でした。当主の元就は謀略が得意で政敵を倒して弘治元年（１５５５）の厳島の戦いで陶晴賢軍に大勝して波に乗りました。

毛利家は大内家も滅ぼし安芸・備後だけでなく長門・周防も手に入れました。さらに出雲国の月山富田城の尼子義久も倒して出雲尼子一族を滅亡させます。元就の息子たちもしっかりしていました。

秀吉が買っていた小早川隆景や吉川元春がいて本家を毛利両川態勢で支えました。強力でした。毛利家は山陽・山陰の十カ国を領有するなどまさに西国の雄となりました。

ですが織田信長の台頭でその先兵となった秀吉に山陽の播磨や山陰の因幡を攻め取られるなど勢いに陰りが出て来ました。本能寺の変後に秀吉と和解して備中の東半分を宇喜多秀家に譲りました。

関ケ原の合戦では当主の毛利輝元が西軍の総大将となりました。関ケ原には出陣していませんが、戦後、徳川家康によって安芸と備後の２カ国を取り上げられ、周防と長門二か国だけの領有となりました。

安芸と備後には関ケ原の合戦の本戦で先鋒として大活躍した福島正則が入封しました。鼻高々だった正則ですが、次第に力をつける徳川勢にじわじわと締め付けられていきます。

常に大坂城の豊臣秀頼や淀殿のご機嫌伺いをする正則は徳川家にとって油断できない男でした。いや危険人物だったかもしれません。

正則は広島城の修築が無届けであると難癖をつけられ改易処分しされてしまいます。元和５年（１６１８）、安芸広島藩には浅野長晟（ながあきら）が、備後福山藩には水野勝成が入りました。

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戦国武将広島地図 あぁ福島正則（戦国漫遊録 第２７３回）