【67】からのつづき

前夜に結構呑んだ割には翌朝すっきりと目が覚めて、他に客のいない大浴場にゆったり浸かってから、山を眺めつつしっかり朝食。

先輩とＭさんは東京見物に向け、すでに渋川を出発されているとのことなので、独り部屋に戻ってコーヒーを呑んでから、9時55分発の伊香保温泉行きの発車に合わせてホテルを出る。

駅前で発車を待っていたのは、日野HR９メートル車だったので乗車は見送り、10分後に発車する伊香保榛名口行きに乗ることにして、関越交通渋川営業所までぶらぶら。

昨日、今日と雨予報で雲は多いが、今のところ直接降られることはなく、先輩とＭさんの日頃の善行のおかげだなぁ、と感謝。

渋川駅に戻ると、昨日乗った「ぐんまちゃんバス（秋)」こと、1305号車が発車を待っている。

またＶ８エンジンで伊香保に行けるぞと喜んで乗り込み、最後部席を確保。発車時刻になっても他に客は現れず、私の貸し切り状態で伊香保への坂道を登っていく。

昨日は車両メインのバス活で成果を得ることができたが、今日は乗り通したことのない群馬バスの高崎～浜川・箕郷・水沢～伊香保間の路線制覇が目的なので、車両にはこだわらないものの、約２年前に同路線で運用されているのを見かけた古バス（1994年製造の3310号車)に出会うことができれば、なお嬉しい。

3310号車を見かけた時の話は↓の終段に出てきます。

伊香保温泉から高崎駅に向かう路線は、11時11分に伊香保案内所を出るバスが第１便。

ちなみに、今乗っている関越交通バスの終点である「伊香保榛名口」と、群馬バスの「伊香保案内所」は同じ場所ながら運行会社の違いから呼び名が異なる。

このまま伊香保榛名口まで乗り通すと、高崎駅行きまで40分ほど待つことになるので、手前の伊香保温泉停留所で降りて石段を降りながら上毛の山々を眺める。

石段途中の立ち寄り湯に入ることも考えたが、先ほどホテルの大浴場でゆっくりしたことだし、だいぶ蒸し暑くなってきて湯上がりに汗がひかなくなりそうなので、昨日から通算３回訪れた伊香保温泉で風呂に浸からないまま高崎駅行きバス乗り場に向かう。

石段を降りきってから伊香保案内所バス停に向かう途中で雨が降ってきたので、目の前にある徳冨蘆花記念文学館に入る。

350円なりの入館料を払い、他に客のいない館内に入ると、係の方が「まず最初に、徳冨蘆花について説明する10分ほどのビデオ上映がありますが、お時間大丈夫ですか？」とおっしゃるので、「このあと、11時10分のバスに乗るので…」と10時45分を指している時計を見ながら、やんわりお断りする。

徳冨蘆花の生い立ちや功績を資料などとともに紹介した常設展示室を見てから、しばしば療養に訪れ終焉を迎えたという伊香保温泉の定宿の離れを移設した建物をひとまわりすると、バスの発車10分前に。

最後に喫茶スペースから伊香保の緑と山並みを眺め、記念文学館をあとにした。

つづく

【68】温泉スルー