過日、羽田エリアで一杯。

羽田と言っても空港ではなく、京浜急行・東京モノレール天空橋駅に隣接したエリアに整備が進む大型複合施設HANEDA INNOVATION CITY。

夕方にエリア内の会議室でAI系の話を聞いて脳内がフリーズしたので、直帰になったのをいいことに、こちらに入店して心と体をほぐすことにした。

京都発祥のフランチャイズバーで、当日たまたま知人が他の都内店舗でバーテンダーとして働き始めたと連絡をくれていた。

カウンター席に座り、棚に並ぶウイスキーの中からアードベッグをストレートで。

チビチビやりながら気持ちが和らぐ感覚を楽しんでいると、女性バーテンダーさんがアイラ系が好みかと尋ねて下さるので、「好きですねぇ」と答えると、最近注目の銘柄などについてレクチャーして下さる。

うなずきながらも、昼を食べていなかったせいか急速に腹が減ってきたので、メニューにあった鶏の唐揚げ食べたいなぁ、と上の空。

本気でウイスキーを楽しもうとする奴が頼むものではない気がするが、普段はあまり口にしない唐揚げを無性に欲してしまったのは、苦手なAI系の話題に触れたせいだろうと自分を慰めながら注文。

ウイスキーのグラスが空き、唐揚げを口にすると爽やかなものが呑みたくなって、レモンサワーを所望すると、味の好みを聞かれたので甘くないのをお願いする。

ドライなレモンサワーで唐揚げの油を流し、ウイスキーのリスタートに何を楽しもうか考えていると、壁にウルフバーン呑み比べなるメニューがあったので、テーブルのQRコードを読み込ませた自分のスマホからオーダー。

19世紀に50年ほど酒づくりを行っていた蒸留所の名前を引き継ぎ2013年に最初の一滴を復活させたというスコットランド北端の蒸留所が世に送り出しているウルフバーンの中から、４種類がセレクトされている。

１番左はシェリーオークで寝かせたAURORA。

シェリー樽らしい華やかな香りと、柔らかい甘み、ナッツ様のテイストも感じられ好きなバランス。

その隣は、ピートが心地よいNORTH LAND。AURORAのあとだったので、最初はかなりドライに感じたが、チェイサーを小刻みに挟みながら飲み順を変えて楽しむうちに果実のニュアンスもうかがえて舌になじむほどにうまい。

さらにその右はライトピートの定番商品MOVAN。

こちらも最初はツンとした印象だったが、呑み進むうちに４種類の中で１番自分好みだと思えてくる。

しっかりした味わいのLANG SKIPを含め４種類のウルフバーンを楽しみ、最後の一杯をどうしようかと女性バーテンダーさんに相談。挙げていただいた２種類の中から、こちらとチーズ盛り合わせを注文する。

ほどよい甘さとスパイシーさが羽田の夜にしっかりキマり、満足のうちにお会計。

飛び去る飛行機を見上げながら、駅前ロータリーに降りると、終車灯をつけた路線バスが発車を待っており、反射的に乗車。ほろ酔い気分で川崎市の大師橋駅まで運ばれた。

天空橋で酔う