【208】からのつづき
大きな声で目が覚めると、スクリーンでは収監された男性たちがミュージカルを演じており、眠りに落ちてそれなりの時間が経過していることが分かった。
これまで映画鑑賞中に寝落ちした経験はほとんどなく、この日の私のシナリオには「不覚にも」というフレーズがト書きで加えられた。
今日はシネマネコ初訪問が目的だったので、寝落ちはさておき満足して席を立つことができ、すがすがしい気持ちで青梅の街を歩く。
さて一杯やって帰ろうと、5月に「吉田類の酒場放浪記」で紹介されていたこちらへ。
まだ17時なので店内は空いており、カウンターの端に腰掛けて生ビールでスタート。
お通しの魚醤油煮をつつきながらメニューに目を通していると、ジョッキが空になったので熱燗とこちらを注文。

蕨のおひたしと野蒜の醤油漬けで季節を感じつつ、シネマネコのゆったりした空気感を思い出しながら熱燗をチビチビやる幸せな時間。
聞くともなく聞こえてくる常連さんと女将さんのやり取りに笑いをこらえながら、この店の名物である焼き鳥(焼きトン含む)を塩・タレ半々で4種類。

そういえば、前回青梅で吞んだのは20年以上前で、その時は近くの「銀嶺」さんで焼き鳥をいただいたなぁ、と煙に包まれた店内の風景を思い出しながら、連れて行ってくれた高校の先輩は元気だろうかと気にかかる。

