会社からの通知も急だったから
私には時間がない。
私はダメ元で
引っ越しの準備をしながら
彼に着信を入れた。
予想通り
彼はすぐに電話には出れなかった。
でも
その日の夜遅くに彼から折り返しがあり
私は電話を受けることができた。
「もしもし」
「あ、連絡遅くなってわりぃ。
電話してくるなんて珍しいじゃん」
「ぁ……ぅん………
ごめん忙しいのに…」
「いや……大丈夫だけど
…どうした?」
私は緊張が高まった。
「えっと………あの……」
なかなか言い出せない私だったけど
彼は私が話すのを待ってくれているようで
沈黙だった。
「あのね………私……
引っ越さなきゃならなくなった…」
「…………………は?」