そのハンバーガー屋さんは
できたばかりとあって
混んでて
なかなか行きづらいと
スタッフが言っていたけど
時間が良かったのか
すんなり入ることが出来た。
ヒールを履いてる彼女を
長い時間立たせるのはな……
と思っていたから
ホッとした。
その店のメニューは
どれも旨そうだったけど
オススメと書いてあるものを
とりあえずで注文をした。
彼女は
なんかヘルシーなやつを頼んでいたけど
出てきたハンバーガーは
俺と同じくらい大きくて
驚いた顔が面白くて
俺はプッと笑った。
彼女が苦労して
切り分けているのをチラっと見て
可愛いなと内心笑いながら
大きいハンバーガーにかぶりつく。
あ……そういや就職先どこか聞いたっけ…
決まったってしか聞いてなかったような…
そう思い出した俺は
「シセリ」
彼女を呼ぶけど
彼女はどこかぼーっと見てて
俺の声にハッとしていた。
「そういえばさ」
「な、なに…?」
「どこ決まったの?就職先」