彼女は恐る恐る布団に入ってきて
俺に背を向けるようにして横になった。
なんだよ、
これじゃ喧嘩してるみてぇじゃん。
俺は
ピクリとも動かない彼女の背中の方を向いて
「おい」
と声を掛けた。
彼女は固まったまま
「なに…」
機嫌悪そうにそう返事をする。
喧嘩したくないのに……
なんで喧嘩みたいになってんだ…?
「なんでそっち向いてんだよ」
無言のままの彼女だったけど
早く不機嫌を直したくて
彼女の肩を引いて仰向けにさせた。
彼女を見ると
思っていた感じと様子が違った。
怒ってる感じじゃなくて
変に身体を硬直させて
緊張しているように見えた。
俺はそんな見たこと無いような
変な彼女を見て
「なに固まってんだよ」
と思わず笑った。
「何でもないよ…」