「マッサージ上手いね」
「お父さんのよくやってたので」
「親孝行だね」
「いやそんな…。
………やっぱりガッチガチです」
「ごめんね~
モヨナも疲れてるのに…」
「私は……ホソク…さんに
迷惑かけっぱなしなので……せめて…」
彼女の少し落ち込んだような声が
耳元で聞こえてきて
僕は顔だけ彼女へ向けた。
「俺、迷惑かけられた覚えないけど?
寧ろこんなに楽しい撮影
久々だったよ」
僕の本音だった。
メンバー以外での撮影はいつも疲れるし
僕もセクシーな感じのシーン撮影は
得意ではなかったし
だから相手がモヨナじゃなくても
難航していたと思う。
「いや……でもやっぱ…
もっと慣れた方とやった方が
スムーズにいって
迷惑かけずに済んだんだろうなって…」
「俺は……こんなん慣れてる人…
嫌だな……」
確かに芸能人では
こういう撮影が上手い人は沢山いるだろう。
自分の魅力を知って
それを使っている人も多くいるのだから。
でも
「可愛くないじゃん」
僕がそう言うと彼女は
「ぇ……」
手を止めた。