「モヨナ。
なんかよそよそし過ぎない?」
カメラが後方の
少し離れている所にあることを良いことに
僕はこそっと彼女にそう言った。
「今はJ-HOPEさんですから」
彼女が真っ直ぐ前を見たまま
そう言うもんだから
僕は思わず
「え~~
せっかくモヨナに相手して貰えるのに
それじゃつまんない」
と言った。
その発言に
一瞬にして彼女は
カメラの存在を忘れたかのように
「そんなこと言われても!!
…………あ……
私……オッパの知り合いってことに
なってるみたいですから…」
ちょっとだけ
声が大きくなってしまっていたけど
撮影中だってことをふと思い出したようで
ドギマギしていて
僕はそれが面白くて
すごく愉快になった。
「そうなの?」
「はい…
さっきお喋りしていたスタッフさんが
ホソクさんとどういう知り合いなのかって
スタッフの間で話題になってるって
言ってて……」
どうやら僕たちの本当の関係は
バレてないようで
本当のことを知っているのは
マネージャーくらいのようだ。
マネージャーは
たぶん言わないでいてくれたんだ……
僕は少しホッとした。