「え……私………
そんなことしてましたか…?
ごめんなさい……」
純粋で優しい彼女は
僕の言葉を真に受けて
シュンとしてしまった。
「や……冗談だけどさ…
でも俺のこと……忘れないでよ…?」
慌ててそう言い直すと彼女は
「何言ってるんですか~」
と笑った。
「大ペンなのに忘れるわけ…」
なんて言うから
僕はすかさず
「いや、ペンの前に彼女でしょ!」
とツッコミを入れた。
そんなくだらない話をしてる間に
売店に着いた。
僕はドリンクコーナーに行く。
飲み物を1つ選ぶと
「モヨナは?」
と声を掛けた。
「私は大丈夫です」
「オッパが買ってあげるよ」
「え…いや…」
「たまには彼氏っぽいことさせてよ」
付き合ってるのに
本当にたまにしか会えないし
彼女を全然甘やかしてやれてないから
せめてこれくらいはって思っていた。
「あ……じゃあオッパと同じので…」
彼女の控えめな声に僕はふふっと笑った。
もう1つを持ってレジで会計をすると
彼女に渡す。
「ありがとうございます」
僕は
きゅっと飲み物を大事そうに握りしめている
彼女の頭を優しく撫でた。