「そこ座って」
俺が立ったまま
彼女の部屋を見回していると
彼女はそれが落ち着かないのか
ソファに案内してきた。
彼女に従ってソファに座る。
彼女の部屋の落ち着く空気感に
気が抜けたのか
「あ~~~~」
突然疲れがどっと来た。
確かに今日の午前中のスケジュールは
キツかった。
番組プロデューサーさんに
あれしろこれしろ言われるわ
パンPDに
「最近ダンスがズレてる。
気抜けてないか?」
「そろそろ曲の目処立たないと
スケジュール組めない」
と軽く叱られたり急かされるわ
今後の過密スケジュールを告げられるわで…。
「疲れた……」
俺は正直な気持ちが口に出てしまった。
それに気づいた彼女は
「仕事キツい?」
と少し俺の顔を覗いて隣に座る。
「曲がさ……
なんか浮かばねぇ……」
ダンスはグループで揃えるものだから
俺一人じゃどうにも出来ないけど
作曲は俺の問題で
それがプレッシャーになっていた。
良い曲を作らないといけない………
でも最近良い歌詞が浮かばなくて
作業が行き詰まっていた。
頭に手を乗せてため息をついていると
「ちょっと手貸して」
彼女がその手をとった。