「あ……そういえば
飲み会の時……ビール飲んでたね!」
「ぁ………そ、そうですね……」
気づかれたくない所を
彼に気づかれてしまってて
恥ずかしい……
いつも飲み会の時は
みんなが騒いでいる間に
さりげなくビールを頼んだりしてて…
家でも一人でたまにビールを飲むし…
実はビールが大好きな自分が
少し恥ずかしく思っていて
隠していた。
「意外だなぁ」
「わ、私……好みが可愛くなくて…
羨ましいですよ…
可愛い飲み物とか甘いものが好きな
女の子って感じの子が…」
バレてしまって
繕いようもないから
自嘲気味にそう話すと
彼は
「やっぱいいね」
そう言ったような気がした。
聞き間違いじゃないとしたら
いいねってどういう意味になるのかな……
そう考えていたら突然
「ねぇコリちゃん」
彼は私の名前を呼んだ。
「僕さ
コリちゃんに話しておきたいことがあって
ここに呼んだんだ」
車内の2人きりの空間に
シーンという空気が流れて
余計に私の緊張を増幅させた。