彼は私に後をついてくるように促すと


私の前を歩き
駐車場の奥の方へ向かって行った。















そして彼は黒いロケ車のような
ワンボックスカーのドアロックを解除する。













「乗って」





彼は後部座席のドアを開けた。












「…え」






ちょっと戸惑っていると


彼は手の平を差し出す。












「どうぞ」





私は彼の手の平をじーっと見る。










彼は手を貸してくれたんだと分かったけど
恥ずかしくて





「ぁ……ぇっと…大丈夫です…」





断った。













そして自分で乗り込もうとすると


彼は口角を少し上げて


私の手をそっと取った。









「僕にジェントルマン気分を味合わせて」





そう言ってサポートしてくれた。









私は思わず赤面した。



















車の中に入ると


彼も私に続いて乗り込んで来て
ドアを閉めた。










「コリちゃんはそこに座って」







彼に言われる通りに座ると



彼も通路を挟んで隣の席に座った。























少しシーンとする。















「あの…………これからどこに…?」

「ん?行かないよ」

「へ?」



私は思わず変な声が漏れた。