再び会場を出ると


誰も居なくて静かだった。















会いたくない人に会ってしまったし




このまま帰っちゃおうかな………











そう思って
階段を降りてロビーに向かおうとすると









背後が妙に騒がしくなった。





















何だろう………














振り返って見ると












ソクジンくんが


女性たちと共に会場を出てきた。














うわ……

タイミング最悪………














しかもよりによって



彼はこっちに向かって来る。














彼はもう帰るから
こっちに向かってるのだろうと思って





私は降りようとした階段から離れて


隅っこに避けた。



















でも彼は何故か私の目の前に来た。







後ろにはもちろん
女性たちもついてきている。














背の高い彼は
目の前に立つだけで
とても威圧感があった。






私は思わず後退りをした。

















「コリちゃん、名刺ある?」






「ぇ…………名刺………ですか…?」












彼が突然そう言い出したので
私はかなり焦った。









何だかよく分かんないけど
慌ててバッグから名刺入れを出す。







一応と思って
入れておいた名刺を
渡すシーンがあったとは……















「……どうぞ」






名乗る必要もないだろうし……






とりあえず彼に差し出すと








「みんなから貰っててさ、記念に」







そう言われた。