「それも最初は旅行先かと思ってた。
でもナムヒョンがニューヨーク公演の時に
ヌナと遭遇して…
住んでるんだって察しがついた。
そこからはナムヒョンの力を借りて
あっという間に
ヌナの居場所を突き止められたんだ。

本当に奇跡だと思った……」





 





私も奇跡だと思う。












彼とまた再会して








一生聞くことがないと思っていた

騒動の真相を






今こうして
彼の口から聞いているのだから……。


















「どうやってオフィスの場所を…?」



「パンフレット」



「パンフレット…?」



「そう。
ヌナが俺に見せてくれた
パンフレットのことを思い出して
それに住所が書いてあった…」



「あ……」









私は知らず知らずの内に



形跡を残していた。












一見気づきにくいそのヒントを手に


私を探し出した………







それがきっと



彼の私への想いなんだろう……






私は彼の話を聞いて


そう思った。














「ヌナのこと……
見つけ出せたから……
やっぱり運命だって俺は思ってる。
俺のこと………
すぐには許してくれないかもしんないけど
でも………やっぱり……
俺はヌナと居る時の自分が好きだし…


付き合ってくれなくても…
もう……二度と……
黙って俺の前から居なくならないで……」









そう言って止めどなく涙を流す彼を見て






私は悪いことをしたんだと思った。














正直





私が居なくなって




時間が経てば





お互いに忘れると思ってたし








彼が私が死んでしまったのではないかと


そこまで心配していたとは
思いもしなかった。