そこには
テヒョンくんがいた。
私は思わず固まった。
社長に半ば強引に
背中を押されて中に入れられると
「君さ、最近根詰めすぎだから
ちょっと休憩しなさい。
ここ、誰も入れないようにしとくから
1時間くらい。
今日特にアポないでしょ?」
「や………そうですけど……」
「はいはいほらほら。
じゃあテヒョンくんごゆっくり~~」
「社長!ありがとうございます!」
社長が嬉しそうにしているテヒョンくんに
手をひらひら振って出て行った。
「社長と随分仲良いんだね……」
「うん!もうお友達!」
「友達って……」
「ねぇヌナ、どうしてそんなに綺麗なの?」
「………は?」
「さっきね
ヌナの働いている姿初めて見たんだけど
カッコ良くて、綺麗で……
見とれた」
「……………」
私は何も返せなかったけど
働いている所をカッコ良いと言われるのは
気分が良かった。
「ニューヨークで会った時も
ライブの時も思ってたんだけど
すごく綺麗になったよ。
そんなに綺麗になるなんて
聞いてなかったから
緊張するし、色々と焦ってる……」
彼はLINEでのように
私をすごく褒めてくるから
どうしたら良いのか分からなくなっていた。