それは次の新曲に関する
打ち合わせをしていた時のことだった。
最初はプロデューサーから説明を受けて
完全に聞く側だったけど
ざっくばらんに意見を交わして欲しいと
プロデューサーが席を外すと
関係者たちと色々話をし始めた。
「さっき説明にもあったように
青年たちの恋模様も
織り混ぜたいと思ってるから
女の子をMVに登場させなきゃなんない。
どうする?
いつものように
事務所の練習生から選抜していい?」
いつもそうしてるし
それでいいんじゃないかと
意見を言おうとすると
僕のマネージャーが
驚くべき提案をしてきた。
「お~ホソギ~
あの子出演させたら?」
「え?あの子って誰ですか?」
「僕が前にスカウトした…」
モヨンちゃんのことだ。
「せっかくだし。
ビジュアルも申し分ないし
その方がホソギも抵抗ないでしょ?」
確かに
彼女と付き合っている今
他の女の子とそういう撮影することに
抵抗があるかないかで言われたら
抵抗があった。
でも
彼女は映像に映ること自体に
抵抗がありそうだし……
僕としても
どの程度映るかにもよるなぁと思った。
でも僕のマネージャーはずっと
彼女のこと
惜しい惜しいって悔しがってたし………。