「ま、彼女がホソクの支えになる
っていうんだったら
そこそこサポートはするけどね。
僕らは君たちの自由を
結構奪っちゃってるし…」
マネージャーは
そういう負い目を持っていると
僕はこの時初めて知った。
芸能人たる者
そういうものだと分かってやってるけど
そういう気遣いの気持ちを
僕たちに対して持って貰えていることは
すごく嬉しいしありがたいし
これがBig Hitのスタッフたちと僕たちとの
関係性の良さなんだろうと実感した。
「いやぁ~それにしてもさ、
久々に見たよ
この子はイケるなぁって子。
だからすごい惜しいけど……。
でもやるねぇ、ホソク」
今のこのマネージャーは
過去に別の芸能事務所で働いていた頃
スカウトして
デビューさせた経験のある人だから
目は普通より利くのだと思う。
たぶん本当に惜しいんだろうけど
本人がやらないと言うのだから………。
もしも今後やりたいと
彼女が望むようなことがあれば
僕は彼女の為にも
背中を押してあげなきゃな………
僕はそう思った。
僕と彼女の付き合い方は少し異質だった。
まぁいわゆる"普通のカップル"
のようにはならないだろうと
最初から思ってはいたけど
簡単に言うと
僕たちは付き合ってからも
特に何も変わらなかった。
休みの日に図書館で会ったり
たまにテレビ電話をしたり
そういう付き合い方。
一般的なカップルは
ずっと一緒にいるようになったり
キスして触れ合ったり
そういう風になっていくんだろうけど
僕は仕事柄
そして彼女は過去のことがあって
なかなかカップルらしいことは出来なかった。
それでも僕は十分過ぎる程幸せだった。