「驚いたよ……
俺のこと……ずっと見ててくれたんだね」
「でも一方的にだから……
ストーカーみたいで怖いですよね……
すみません……。
でも……私の初恋は実ってくれました。
だから大事にしたいと思ったんです」
僕は彼女の事を怖いだなんて思わない。
僕を見守っていてくれた
ずっとペンでいてくれたんだと
感動した。
彼女の純粋な想いは
僕の心に
ダイレクトに届いてきた。
僕は彼女にオファーのことを
伝えたくなかったのが
正直なところだったけれど
それがきっかけで
彼女の想いを知ることができて
すごく良い機会だったんだと思った。
「モヨナ……ありがとう」
「なんでオッパがありがとうなんですか?
こっちがありがとうですよ」
「ううん、俺のこと……
好きになってくれてありがとう」
「オッパ……」
僕は少し涙目で本音が溢れた。
「俺さ……正直ね……
モヨナに芸能界……
入って欲しくないって思ってたんだ……
引かれるかもしんないけど……
モヨナは………
俺のものであって欲しくて……」
僕が正直に話すと
彼女は目を丸くして僕を見ていた。
「俺もさ
最近気づいたんだけど…
結構独占欲があるのかもしれない……。
モヨナ……
自分で気づいてないみたいだけど
君はすごく可愛いんだ…。
だからマネージャーの目にも
止まったんだと思う。
アイドルになったら
きっとすごく人気も出るし
成功もすると思う。
でも……そうなったら……
俺たちは離れなきゃいけなくなる………。
でもこんなの自分本意だから
最初に言えなかった……。
モヨナの人生だから
したいようにすべきだと思うし…。
でもモヨナがそう言ってくれたから……
俺はほんっとうに大事にする。
守るから……。
でも………
モヨナは本当にこれでいいんだよね…?」
彼女は僕の目を真っ直ぐに見つめた。
「これからもアイドルのホソクさんと
図書館司書のモヨンというコンビは
いかがですか?」
彼女はそう言うと
ふふふっと可愛らしく笑った。
「じゃあ……
図書館の妖精と
その妖精が大好きなホビで
これからも仲良くいこっか!」
僕たちは笑い合って
穏やかな時間を過ごした。