私は彼の片手をとると
軽くマッサージをし始めた。
彼はたまに
「いってぇ~」
とか言いながらも
目をつぶって
気持ち良さそうにしていた。
両手のマッサージをしてあげて
何か飲み物でも
持ってきてあげようと立ち上がると
彼に手を掴まれた。
驚いて振り返ると
彼はそのまま私の手を引っ張ってきて
自然と彼の隣に腰掛ける格好になった。
「お前の手ってすごいよな」
彼は私の手をまじまじと見ている。
「何が?」
「ん?
マッサージが上手すぎる」
私はなんだか照れてしまった。
「何それ……」
「他のやつがやった時と
全然違うんだよな。
力加減が絶妙というか……」
ユンギは分析しながら私の手を見ていて
それが恥ずかしくて
私は手を引っ込めた。
「そんなに見ないでよ」
「なんで。
秘密でもあんのかな~って見てるだけだろ」
純粋そうにそう言う彼は
ちょっと可愛かった。